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冬に咲く花の音色 #茜涼夏の音楽日記

 昨日私の好きな歌手“花譜”さんが動画を投稿した。今回歌ったのは、レミオロメンの“粉雪”だった。この作品は、冬の名曲で様々な人がカバーしている作品でもある。

 ニコニコ動画では、サビで「こなああああああゆきいいいいいい」と弾幕コメントをされる弾幕ソングとして流行していた。

 また、私の好きな初音ミクでもカバーされている。

 そんな“粉雪”を花譜さんがカバーしてくれたこの作品は、ダンロップ『ROAD TO YOU』シリーズ第3弾短編アニメーション『ROAD TO YOU ~記憶に舞う粉雪~』主題歌だそうだ。

 また、曲のアレンジをカンザキイオリさんが担当している。

 本作を初めて聴いたとき、粉雪みたいな歌声だと思った。粉雪だけに、といった寒いギャグでは決してなく、触れると溶けてなくなってしまいそうな繊細さがあって、でも、しっかり心に沁みる歌声だった。

 花譜さんの歌声の魅力は、なんだろうか。最初聞いたときから心を掴んで離さないのはなぜか。

 歌声にのせる感情のさじ加減が、絶妙なんだと思う。ブレスの仕方も含めて、聞き手を揺さぶってくるものがある。それは、こちら側の枠をこじ開けるのではんく、スッと自然に響いてくる。これ以上感情を込めると、ノイズになってしまうギリギリのところをついてくる。

 あの歌い方、息の抜き方や声の振るわせ方は、ある程度は意識してやっているとは思う。でも、8割方は自然に歌ってる(花譜さんの癖?で歌って)いるのではないかと思ってしまう。

 もう少し正確に言うと、歌で感情を描くのが上手い気がする。感情を乗せてるのではなく、その声やブレス(音)で感情を描く能力に長けてる。そんな気がする。

 学生のとき音楽の先生に“歌心”という言葉を教えてもらった。簡単に言うと、絵心の歌版だ。

 花譜さんは、“歌心”が豊かなんだろうな。白い粉雪のような歌声に耳を澄ませながら、その歌声の音の色を想像してしまう。

 一足先に冬を届けてくれた花譜さんが咲かせる歌声の花は、綺麗で儚くてそっと愛でていたくなる。

 これからどんな音色を、花を見せてくれるんだろうか。私は、楽しみで仕方がない。

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