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鏡音リンイメージソング / “イヤーワーム・フェアリ”

 「虫の音」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか。今の時期ですと、蝉の声をイメージする人が多いことでしょう。また、“虫のこえ”という童謡を思い出すかもしれませんね。

 この童謡は、小学校三年生の音楽の教科書に載っています。歌の中で、鈴虫の声は、「りんりんりんりん りいんりん」と表現されています。ボカロファンならこのフレーズから、黄色いあの子を思い起こすでしょう。

 そのこの名前は、そう鏡音リンです。今日紹介する曲は、一言で表すと鏡音リンイメージソングです。

明後日、しめじ / “イヤーワーム・フェアリ”

 ニコニコ動画には、VOCALOIDイメージソングというタグがあります。このタグは、名前の通りVOCALOIDをイメージした曲に付く動画のタグです。この曲は、鏡音リンの魅力がぎゅっと詰まった一曲です。

 そう思ったのは、二つ理由があります。一つ目は、「りんりん」とコーラスをしていること。二つ目は、鏡音リンが二人で、輪唱をしていることです。鏡音リンだけに。すごく可愛らしくないですか?

 また、合間合間に入る音(ギロともう一つは鉄琴でしょうか、涼やかな高音、クラップ音)が心地いいです。

 それに、この曲を目を閉じて聴くと、耳の中に左と右のそれぞれに鏡音リンちゃんがいるような感覚になります。動画はもちろんそうなっていますが、音だけでもじっくり聴き入ってほしいです。

 タイトルにある「イヤーワーム」とは、曲の一部などが頭にこびりついて離れないことをいいます。頭の中で曲がずっと鳴っているけど、なかなかとめることができない。なんてことを体験したことが、あるのではないでしょうか。

 イヤーワームを運んでくる妖精(フェアリ)が鏡音リンちゃんだったら。しかも二人だったら、許してしまいそうです。

 この曲の特に気に入ってるところは、三つあります。一つ目は、声だけを聴いても二人のリンちゃんがお互いの声をよく聴きあって、目配せをしながら歌っていることが伝わってくるところです。

 二つ目は、二人の鏡音リンの個性がそれぞれ出ていて、同じ声帯を持っていても性格が違うことがわかることです。左耳は、鏡音リンact.2(しめじさんちのリンちゃん)、右耳は、鏡音リンV4X(明後日さんちのリンちゃん)と全く同じ鏡音リンでないからなのかもしれません。でも、同じセリフをいしょにいうときに少し声色が違っています。

 また、最後の歌詞で一人称がそれぞれ違うーー「わたし」と「ぼく」になっているところも、それぞれの鏡音リンがいることを教えてくれます。

 三つめは、おしゃべりのパート(間奏)があることです。プロセカでよく耳にするようになってから、鏡音リンは話す声もとても可愛いことに気付きました。一人でも可愛いのに二人で話したら……。

 しかも会話の内容が、いつも辛そうな宿主さんの話をさくっとして、そのあとに、まるでボカロリスナーみたいな会話(好きな作り手さんの新曲の感想をわいわい言い合う)を急にし出して、間奏が終わりそうになって慌てて歌い出すというもので。可愛さと人間のことがよくわかっていないことが伝わってきて、ニヤニヤしてしまいます。

 鏡音リンが二人で歌っている曲といえば、アンメルツPさんの“きみはライバル”でした。お互いにないものを持っている二人が惹かれあって、切磋琢磨するいいライバルという関係の鏡音リンオリジナル曲です。

 二人で歌う場合は、違うボーカロイド同士で歌うことが多いです。ですが、同じキャラクター同士で歌うことで見えてくる魅力もあることを教えてくれます。ボーカロイドっていいな、面白いな。そう思わせてくれます。

 少し大げさかもしれませんが、ボーカロイドでできる表現というか面白いことはまだまだたくさんあるのかもしれないと思いました。

 さて、長くなりましたが今日は、しめじさんと明後日さんによる“イヤーワーム・フェアリ”を紹介しました。ここまで読んでくださり、ありがとうございます。次の記事でまた、お会いしましょう。

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