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修行僧が厳しい状況にあえて赴く理由がわかった(気がする)

暑い日が続く。実は横浜でここまで本格的に夏を過ごすのはおそらく4年ぶりだ。大学に入学してからというもの、秋学期には学祭やサークルのイベントなどのイベントが盛りだくさんで、夏は準備期間として使うことが多かった。結果、夏真っ盛りの暑い日々を避けて横浜に帰省し、あっという間に生活の拠点であった秋田に舞い戻るという実家の両親からすれば「休みなのだから実家でゆっくりしなさいよ…」と言われてしまうようなフッ軽娘を演じていた。しかし、今年はフッ軽娘も自粛。4年ぶりの横浜の夏に毎日やられまくっている。「そうだった…横浜の夏は暑すぎて、夜寝付けないほどの熱帯夜なのだった…。」とうめき声をあげながら布団の下のひんやりしたところに足を入れながら寝付く日々である。

今年の私の拠点は実家の自分の部屋なので、ずっと自分の部屋の整備に勤しんできた。春学期が終わってひと段落した時に、ずっと後回しにしていた大きな洋服ダンスを移動させて、ようやく私の部屋が出来上がった。寒がりの私にぴったりの日差しがよく入る和室だ。広くなった部屋で優雅に自分の時間を過ごしていたのもつかの間、夏本番でものすごく暑い。こんなに暑かったっけ?と思ったら、家の隣にある木をご近所さんが今年の5月に綺麗に伐採したおかげで日の光がビシビシ私の部屋に届くようになってしまっていた。午前中、油断して部屋の中に注ぐ日差しをそのままにしておくと、畳がそれを吸い込んで午後になっても足元から沸き立つように暑い。なので朝早く起きて日がそれほど差し込まない時間帯に気持ち良いくらいに日光浴をし、日差しが強くなってきた時間帯を見計らってカーテンを二重にして閉めることにしている。

自室では、主に書きものをしていることが多いので、座りっぱなしだが、ここ2週間ほどはじっとしていてもじっとりと汗をかいてしまう。扇風機もぶんぶん回っているが、熱風をかき回しているだけだ。そんな自室でじっ…とパソコンを見つめてカタカタやっているのが私の2020年夏である。

エアコンないの?とお思いの方もいるかもしれないので一応言っておくと、エアコン、あります。去年両親が買い換えた真新しいエアコンが天井のすみで光っている。エアコンをつけなさいよ、という声が聞こえてくるような気がするが、実は私はエアコンをつけないで死ぬほど暑い部屋での作業の方が捗ると思っている。

エアコンをつけていると、確かに熱中症になるリスクも少ないし、汗疹をかきむしることもないだろう。でも、作業をするには快適すぎるのだ。私はだいたい1記事書き終わるごとに寝転がってただ呼吸するというしばしの休息をとることにしている。エアコンがついていると、気持ちがよくてそのままだいたい2時間は寝てしまう。アラームをかけなさいよ、と思う人もいるかもしれないが、私の体はそんなに都合よくいかないのです…。快適なところで眠っていればその眠りからは覚めたくない。インターンと大学の団体運営を掛け持ちしている私としてはこの2時間の睡眠はかなり痛い。

そこで、私はあえて暑い部屋で作業しているのだ。作業をしている最中は集中しているのでそれほど暑さは気にならない。寝っ転がっても、うまい具合に寝付かず、休憩時間が終わったらちゃんと起き上がって作業に取り掛かることができる。作業するには完璧だ。

あえて自分の体が休まらない場所を自ら作り出すことで作業が捗る、という話を家族にしたら、父から「修行僧じゃないか」と笑われた。なるほど、修行僧も、あえて厳しい状況に身をおくことで身につけなければならない説法を体に叩き込んでいるのかもしれない。

とは言え、寒がりの私は冬に暖房をつけずに作業をするなんてことは絶対にしないだろうし、風呂上がりは我慢できず(というか、夜眠れなければ逆に困るので…という言い訳)、エアコンガンガンに効いた部屋でこの記事を書いているのだから修行僧には程遠い。

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