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あまりにも遠くて、それでも不思議なほどに似ている世界のどこかの相棒へ

気がつけば、大学の秋学期も中間地点。昨日ようやく中間テストが終わり、ひと段落ついた。横浜で過ごす秋は約5年ぶり。すぐに肌寒くなってい生成り冬になってしまう秋田に比べて、横浜の景色の移り変わりはゆっくりだ。新鮮な気持ちで毎朝目覚めては橙に照らされる集合住宅の屋根を見る。少しのびをしてバタバタと騒がしい妹を横目に顔を洗う。母が弟を学校へ送っていくためのエンジンの音が聞こえたかと思うと、父が起きてくる。そんな家族と一緒の学生生活は初めての経験で、恥ずかしいような、うざったいような、でも安心するような…むず痒いとでも言うべきか。まあ、何事にもいいところも悪いところもちょうどよく持ち合わせているくらいがやりやすいということにしている。

2020年は、今のところ、大学のキャンパスに一歩も足を踏み入れずに学生生活を送ることになりそうだ。キャンパスにあっただろう出会いがなかったとおもえば悔しい気もするが、オンラインだからあった関係性もあると私は思っている。春学期にはヨーロッパからきている留学生の子と仲良くなった。

きっかけは彼の方から授業終わりにメッセージをしてくれたことだった。

「Hi, I think you are interesting person to talk, if you use line and talk with me, please enter this code on line. (ヤホ、君、なんかおもしろそうな人だから、もし僕と話したかったら、ライン追加してね。)」

zoom上でしかあったことがなかったが、何回かグループディスカッションで話したことがある子だった。コロナ禍にもかかわらず、家族のいるヨーロッパには戻らず、日本の田舎のエアビを借りてそこから授業を受けていた。面白い子だなあと思っていた。

「Why not, I added you on line.(もちろん、今追加したよ)」

それから私たちの不思議な関係は始まった。

お互いオンラインでしか会ったことがない。それでも、好きな音楽の話、生き方の話、勉強の話、将来の話、何気ない話をだらだらと話すこと今でもある。不思議なほどに、「ちょっと怖いよね」と笑い合うくらいに、趣味や考え方が似ていることがあった。もう1人の自分が具現化して出てきたみたいだと思うこともよくあるし、彼も「何か、いい意味で変な気がする」なんて言って笑い合ったこともある。

2人とも世の中に疑問があって、人間が作った社会なのだからぶっ壊すこともできるし、もう一度再構築することもできると言う前提で話をしているので面白い。理想論になることもあるが、私たちの中でいつも言っているのは「理想は未来の現実の種だと思ったら、現実主義とも言えるから、理想論をいくらでも語っていい」と言うことだ。たまに考えが矛盾したり、カオスになったりいろいろある。しかし、お互いの知識や思考をぶつけ合っている感じがたまらない。気付いたら2時間も話していてお互いお腹がすいてヘロヘロ〜なんてこともある。

年齢も生まれた国も今いる環境も、違うところを数えればキリがないが、それでも共通点のある友達が世界のどこかにいると思えたのが嬉しい。彼とは実際にあったことがないけれど、オンラインでもここまで関係性を気付けるのだ、と少し希望を持てたのもこの嬉しさを増幅させている気もする。

お互い、移動している状態が好きなので、いつ、どこで実際に会うことができるかはわからないでいる。でも、2人ともインドには絶対行かなきゃね、と言っているので、もしかしたら次会うのはインドかもしれない、と密かに思っている。最近、どうしているかなあ、元気かなあ、連絡してみよう。

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