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どんなに頑張っても戻れない過去と追いつけない未来

昨夜、大学二年生の時に出会った友人と2、3年ぶりに電話した。すごく仲のいい時期があったけど、あるタイミングからぱったりと連絡を取らなくなってしまったので、本当に久しぶりだった。

最初は久しぶりでちょっと恥ずかしいというか、どうしていいものかわからず、ひたすらにやにやしてしまったような気がする。それでも、お互いこの3年の間に何があったか、2時間ぶっ続けで話していた。

恋愛のこと、家族のこと、心のこと、体のこと…。私たちはすぐにあの頃の仲良し二人組に戻ったような気がする。私だけだろうか。

3年前、彼女に出会ったのは、授業のクラスが一緒だったからだ。でも、なんであんなに仲良くなったのかわからない。学校に住んでいた私たちは毎晩待ち合わせては散歩をしたり、歌を歌ったり、熱心に話し込んだりして時間を一緒に過ごしていた。私はその時、演劇で生きていくという夢があって、彼女もアートお世界で生きていくことを夢見ていたので、共通点が多かったのかもしれない。自立と苦悩の間にいた私たちは磁石のように引き合い、思考をを分け合い続けた。

よく思い出すのは、ほんの些細な、交換ノートをしていたとか、夜の図書館で朝まで語り合ったりとか、そんなようなことばかりが思い出される。私は一緒にいる時間を彼女のことを知るためにとことん使いたかった。彼女に惹かれていたと思う。

ある時は、秋田市内のアトリエに2人でデッサンをしに行ったなあ。ヨガインストラクターの人を見て絵を描く会で、モデルの人のしなやかな筋肉に惚れ惚れしながら夢中で描いたっけ。私たちはそのモデルさんを挟むように向かい合って描いていた。あなたの真剣な表情と、純粋な目で観察しながら手を動かす姿に「なんてピュアな子!」と感激したっけ。おっと、これは秘密ね。

あの時描いた絵、とてもダイナミックにできて気に入っていたけど、捨ててしまった。写真も残っていないので、もう私の頭の中にしかない。

3年という月日は、長かったと思う。気に入っていた絵を捨ててしまうほどの大事件や、涙が枯れるくらい泣いた大恋愛、体調を崩すほどに落ち込んだ演劇への挫折など、彼女が私の人生にいなかった時間に色々なことが起こった。だから、今はお互いが成長して、3年前とは違う、でもどこか懐かしいようなそんな関係性が昨日は花開いたような気がした。

成長して、決断してきたことが山ほどあった。その決断の中に彼女はいなくて、「もし過去に戻れたら〜」なんて話もしたけど、それはたらればで。好きだった彼女だから、幸せになって欲しいと思うし、これからも彼女がどう変わっていくのか気になる。でも、3年前とは確実に違う。

なんだか、切ないような気もするが、楽しい人たちが自分の人生に飛び込んできてくれるのは大歓迎だ。戻ってきてくれるのならなおさら。また、私たちらしい友達関係を築いていこうね、と密かに思った夜であった。

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