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4いなくなるということ




おじいちゃんの三十五日が終わりました。


私は変わらず生活している。

もちろん、急に「もう会えない」って言う事実が襲いかかってきて泣いた日もあったけど、

少しづつ乗り越えつつある気がする。

おじいちゃんとの写真をいっぱい見返したりしてる。
泣きながらコンビニへ行ってその写真たちをプリントして、壁にぺたぺた貼っていった夜もありました。
やっぱり私、おじいちゃんのこと大好きだ〜



私はおじいちゃんと離れて暮らしてたからこそ、少しづつだけど何とか普通の生活に戻れてるんだろう。
「いない」を直接実感する機会はあまりないから。



でもおばあちゃんは違う。
おじいちゃんとおばあちゃんは2人で暮らしていた。
毎日2人だった。
いつも言い合いをしてたけど、
2人でおやつ食べたり、2人でお散歩したり、近所の人の世間話したり。
私からしたら、すごく仲が良さそうだった。
2人がしょうもないことでいっつもけんかしてて、それが私には微笑ましくて、いつもこっそり笑ってた。


おばあちゃんはずっとしゃべってて、おじいちゃんはそれをいつも聞いてた。
家事はほとんどおばあちゃんだったし、
いつも、おじいちゃんの好きなご飯だったり、味付け、硬さだったり、おじいちゃんが中心だった。

いつもおばあちゃんがおじいちゃんにやってあげてる感じで、おばあちゃんは文句ばっかり言ってて、

でもおばあちゃんはそうやってしてあげることがそんなに嫌じゃなさそうというか。
お節介したい人だから。

私はおばあちゃんのそういうところが大好きなんだけど!



そんなおばあちゃんにとって、おじいちゃんがいなくなったことが簡単に片付くはずがない。

おじいちゃんがいなくなるということの重さが、私にとってのそれとは全く違う。


いつも隣にいた人が急にいなくなるということ。
生活の基準、行動の理由になってた人がいなくなるということ。




三十五日でおばあちゃんに会った時、前より痩せてた。小さくなったように見えた。

いとこが先におばあちゃんちに行ったのだけど、いとこたちの顔を見た時、泣いてたらしい。1人じゃなくなったうれしさとか、安心とかからかなぁ。普段泣くとこなんて見たことないのに。

ご飯もあんまり食べてないらしい。


やってやる人がおらんもんでなぁ
って言ってた。


誰かのためならどこまででも頑張れる人って、
自分だけのためとなると、何もできなくなっちゃうんだ。


お母さんが毎日おばあちゃんちに通って、少しづつご飯を食べるようになったし元気も取り戻してきたみたい。



でもやっぱり、
2人でずっと生きてきたのにそれが1人になるって、どれだけのことだろう。

半分になっちゃうんだ。

多分、おばあちゃんの半分はおじいちゃんでできてたんだろう。

すっぽり抜けてしまった穴


私が、悲しい、寂しい、とか言ってるのの何倍も、何十倍も、深いところに、たった1人でいるんだろうな。



私にはその気持ちの全ては分からない。
分かりたいって思うけど、きっと無理だ。


私には何ができるんだろう、ってずっと思っている。


私の夢の中でもおばあちゃんは泣いてて、私は何も出来なくて、すごく苦しかった。



よく電話したりはするけど、それじゃあ何にもならない。
距離って怖い。
どうやったって埋まらない。
いくらビデオ通話とかがあっても、全然違う。
そばにいる、ってとても強い。

離れているのは、弱い。



おじいちゃんのことが大好きだし、自慢のおじいちゃんだし、感謝しているけど、

おばあちゃんを置いていって、こんなに悲しませてるんだよ、って言いたくなる。
なんで、って思ってしまう。
仕方ないのだけど。



やっぱり、おばあちゃんのそばにいてあげたいなぁって思う。
もしも地元で就職すれば、いつもそばにいられる。
それはおばあちゃんのためでもあるけど、多分自分のためだ。
自分が、何も出来ないのってすごくきついから。自己満足だけど、そばにいたいなぁって思う。


ああ。将来自分はどうなるんだろう。
何を選んで、何を諦めて、
どこで生きるんだろう。


とりあえず最近はなんだかずっと寂しくて、家族に会いたくて、なんだかグラグラしています。


帰省したい。
疲れた〜って言いたい。


でもやっぱり何よりもずっと思ってるのは、

おじいちゃんに会いたい。
すごく会いたい。さわりたい。ふれたい。
ずっと会いたくて会いたくて

思い出があるから大丈夫とか、綺麗事だ。

やっぱり、会えないのってとてもとても悲しい。
会えない自分に悲しんでる
自分のために泣いてる
それでいい。もうなんでもいい。
とりあえず会いたい。


なんか色々言葉にすることで、
大人になった気で
飲み込んだ気でいたけど
やっぱりそう簡単じゃないなぁ。





おわり





今の気分
おばあちゃんに電話しました。
なんか今日はものすごく憂うつで動けなくて、その後の予定がしんどくて、それで電話をかけた。

一応、おばあちゃんを元気づけるという口実で明るく話したつもりだったのに、

何度も何度も、
無理せんようになぁ〜
って言われた。
お見通しだったのか、たまたまか。
分からないけど、
あぁ、私はおばあちゃんが大好きだし
私にはこの人が必要だなぁって思った🌼
愛を感じました

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