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やっぱり黒が好き/黒白歌合戦……後半

後半、換気タイム挟みました。

八曲目、罪之罰
『悪いやつは誰だ』
誰なんでしょうね。誰を責めていいやらわからない心境。
このライブではないけど、感幸旅行記の中で『悪いやつは誰だ!!』(うろ覚え)って観客にダイブしていく姿がとても好きです。あの場所の二列目くらいで必死に手を掴みたい。


九曲目は斜陽。
『いつだって 僕らはそうさ
いつの日か輝くその為に』

無限とも思えるこの日々を向かい風の中、吹き飛んでしまわぬように歩く彼ら。
斜陽はあまりセトリに入らない、まぁレアな曲。
かっさかさに乾いた心を涙で湿らせて、決して腐らぬように歩き続ける。



十曲目で恋人。
こんなことが起こらぬようにとそっと呟いて歌い始める尊さったら!
『二人を守るその為に 出来ることがあるのなら』
バンドとしてずっと音を届けるためなら、どんなことでもする。悪魔でも罪でも。
悲しいかな、ライブハウスもこの状況下、とても苦しい立ち位置で皆必死で消えないように生き抜いている。でも、何かどこかですれ違ってしまって、消えてしまうものもある。
そんな悲しいことが誰の身にもふりかかりませんように、祈るしかできない。
素晴らしい出逢いに別れなんて来ませんように。



しっとり激しく歌い上げての十一曲目、閃光。
ここ辺りから希望の光を感じるような曲が続きます。
『求めてる「居場所」は探すものじゃなく作るものさ』
正に。正に体現した黒白歌合戦のこの日、この舞台。
数多くのアーティストが配信ライブに踏み切る中で、それでもこのバンドらしさを求めて勝ちに行く姿よ。
しなやかにいつまでも光り続ける彼らの軌跡。
視聴者の心に閃光を放ったのではないだろうか。


光を感じる曲がなんて言って十二曲目、地獄且天国。
地獄出てきました地獄。
『ここは 地獄? 天国?』
配信ライブ、無観客……それでもあなたといれたら。
観客の居ないライブは、ライブハウスでつき上がる手を嬉しそうに眺めながら、思い切り演じる彼らにとって地獄のような世界なのでしょうか。それとも、二百日以上ぶりに五人で顔を合わせて音を合わせられるここは、天国なのでしょうか。


さて、最後に近付いてきて盛り上がりも最高潮かと思われた彼らが次に選んだのは、霙。
まさかのここで霙。霙だけにクールダウンかと思われたけど、そうじゃなかった。まだ心の中の火は小さくなってもいないし消えても居なかったとわかる、圧巻の歌声。
歌詞を抜き出そうと思ったんですが、これ全部聴いて欲しい。彼らの魂が叫んでる。
『ねえ どうか助けておくれ ねえ』
絞り出すような声。泣きそうに響くギターとピアノ。唸るようなベース。張り裂けそうなドラム(まぁ色んな意味で)。
白っぽい曲なんですよ。でもこれは黒の曲。この順番で歌われることで意味があった、心を蝕む曲。
こんな顔がいい歌い手が、万人に受けることに興味はないけど、俺たちを見てくれ、どうすれば多くの人に届くのかなんてさあねどうでもいいけれど、どこかに確かに届いている人がいるんだろう。
誰かこれからどうするべきか教えてくれと、涙混じりの霙が舞台の上に降る。
霙だけ語りすぎてない?いやいや、もうそれくらいこのラストから二つ目というこの場面でみぞr(ry

霙という歌でした、どうもありがとう……からの終わっちまうぞ!と煽りの入るラスト、火花。
『戦いの鐘が鳴る』
『巻き散らせ この火花』

そう、彼らにとって初の無観客ライブ、戦いの鐘はまだ鳴り止まぬ。
ラストなのに今始まったかというテンション。最後にして最幸最高潮。泣いてる場合じゃねえ、どうしようなんてクヨクヨしてる暇はねえ、今こそ心の火を燃やせ(別漫画)!
きっとまた会える、あっちゅう間に未来なんてすぐそこに来ているはず。まだ折れていない。俺たちが火種だ、皆の心に想いの火花を飛ばすから、それまで情熱の火を絶やさず燃やし続けろ。そんな風に、この息継ぎが二回しかない(歌い手調べ)曲を、まだこんな力があったのかと思うくらいに激しく奏でていく。
会えないことは離れたことじゃないぞと全身全霊で訴えてきます。


これだけ濃い内容なのに
掠れもしない力強い声と崩れないいい顔
ずっとなにか伝えるように鳴くギター
まぁまぁ強めに踏みつけられても物語に添えられる清らかな音のキーボード
多分一番しんどいのに最後までキッチリ刻むドラム
厚みと深みを添え続けた噛めば噛むほど味の出るベース
五人がひとつの場所に顔を揃えると、こんなにも人の心を打つ世界が一瞬で出来上がる。
お互いがお互いへの信頼感。

きっと私はこの日を忘れない。
例え同じ空間で会えるようになっても、観る人を楽しませつつも、それ以上に彼らが彼らであることを楽しむ五人の、この日の顔を忘れない。


わぁ、長い!w
こんな拙い感情の殴り書きと憶測の文章にお付き合い頂きまして、ありがとうございました。

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