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産後1ヶ月での1泊出張

先日、生後1ヶ月の子と離れて出張する機会がありましたので
気持ちがホットなうちにこの記事を書いています。

大学は産休中なのでもちろん仕事はないのですが、
今回は学会でのシンポジストを依頼されており、
久しぶりに対面での実施ということで、
お世話になった先生も多くいる大学での学会開催だったので
せっかくなら行こうと思い、出張してきました。
(リモート登壇も、お願いしていたらできていたと思いますが)

この依頼を受けたのが、1月中旬ごろ。
大きな学会で、私の専門テーマをシンポジウムで扱うのは初めてなので
ぜひ登壇したい!という気持ちと、
でも産後1ヶ月の私の体調や子の様子がまっっっっったく想像できなかったので
どうしよう…と悩みました。

そこで、依頼していただいた先生にお電話をし、
大変光栄なことなのでぜひ登壇したいのだけど
学会は予定日の1ヶ月後になるので
予定日が遅れたり、子どもや私に何かあったら…と思うと心配なこと、
もしそれだと困る、ということでしたら辞退します、という旨をお伝えしました。
そしたら、「それはそれで面白いんじゃないでしょうか」というお言葉をいただいたので、笑 お引き受けしたという次第です。
この時点で、もし何かあったらどうする、という具体的な代替案を話していたわけではなく、幸いにも何事もなく登壇できたのでよかったですが、
もし何かあったらどうしていたんでしょうね。笑
でも、それだと迷惑だから、と言われてしまうケースもあると思うので
理解があって、面白がってくれる人でよかったなと思います。

何もなかったから言えますけど、
行ってよかった!
産後ボケの私に務まるのか…という心配もありましたが
ファシリテーターの先生や他の登壇者さんのおかげもあり、
大変良い雰囲気でお話しできました。

子はというと、里帰り中の実家でお留守番してもらいました。
学会の方で託児所の設置もしているのですが、
預けられるのは3ヶ月以降だったので
1ヶ月の我が子は預けられず。
母には、ちまちま搾乳して冷凍しておいた母乳を哺乳瓶であげてもらいました。
ずっとおっぱいであげていたので哺乳瓶拒否しないかな?と心配していましたが
(練習しとけよ、という感じですが)
全く問題なく、夜もよく寝て昼間もぐずらずだったらしいです。
私の乳はガチガチに張っていたのでマメに搾乳し、
なんとか乳腺炎は回避しました。

これまでは育児と仕事、同じ軸において
費やす時間も気持ちの充実も、両方合わせて100%になるというイメージでしたが
今回思ったことは、全く別軸。
久しぶりに仕事でのちょっとしたやりがいを感じ、
やっぱりこの気持ちは育児の中では味わえないものだなと。
(今のところ、ですが。今後はあったりするのかな…)
逆に、きっと育児の中でも喜びも仕事のやりがいでは
補完できないもので。
もちろん、時間は有限なのでこれまでみたいに
仕事に時間の100%を費やすことはできないけど、
今後は決められた時間の中で、それぞれの100%を目指すことになるのかな。

また妊娠や出産に関わらず、誰しも明日何があるかわからないのは同じなのに
常に付き纏う、「何かあったらどうしよう…」感。
これにより、妊娠・出産を理由に昇進や立場あるポジションを断ったり、
周りが気を遣って頼まなくなることでその後の昇進に響くことを
「マミートラックにはまる」
と言うらしいです。
妊娠・出産はある程度、「何かあるかも」ということを予期できる状態のため
多くの妊婦さんが念の為仕事をセーブしたり、
周りも気を遣って色々頼まなくなったりしがちです。
でも本当に必要なことは、その人が妊娠中・出産後に
どのくらい、どんなふうに仕事をやりたいのか?を聞いて
やりたいならできる方法を考えたり、必要なサポートをしたりすることなんじゃないかと思います。
もちろん、妊娠や出産、育児に集中したいということで
仕事はセーブしたい派の人もいると思うので、
そういう人はその意向を尊重して希望通りにすれば良いのだし。

これは女性に限ったことではなく、
男性の産休、育休の取得が少しずつ進んでいる最近では
男性にも当てはまることで、
さらにいうと、妊娠・出産に限ったことでもなく
それぞれ個人の意向をきちんと把握・尊重し、必要なサポートをするということは
多様性のある組織実現の上で、欠かせないものだと考えています。

たまたま周りに理解のある人がいた、
たまたま理解のある家族で、サポートが受けられた、
たまたま育てやすい子だったから出張できた、
と偶然の結果叶う仕事と育児との両立ではなく、
これを必然にできるような社会になっていくといいなと改めて感じました。

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