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そして上京

レビューショーの世界を満喫した私は次なる舞台を探す。
それはテーマパークのダンサー。

日本各地にテーマパークは数あれど、やはり目指すなら夢の国…
かと思いきやミッキーよりキティちゃんが好きな私は、サンリオピューロランドしか選択肢は無かった。

決断力と行動力は誰にも負けない私は、サンリオピューロランド内のメルヘンシアターのダンサーのオーディションを受ける。
例の如く神様がまた降りて来て合格させてもらった。

サンリオピューロランドは東京都多摩市にある。奈良県在住だった私にいよいよ上京のタイミングが訪れる。
憧れの東京に一人暮らしするのだ。
不思議な事に不安は一切無く、もう嬉しさと楽しさと充実感だけだった。

初めて東京で暮らした場所は、ピューロランドがある多摩センター駅の隣の駅、京王永山駅から徒歩5分の1Kのマンション。
隣はお墓だった。ある意味賑やかである。

そこから毎日1駅電車に乗って仕事場に向かう。
私の夢だった毎朝、楽屋入りしてメイクして衣装来て、何公演かした後、メイクを落として楽屋を出て、家に帰る。

幸せの極みである。
いや、自己満足の極みと言うのかも知れない。

舞台での私達はもちろん主役では無い。
主役はキティちゃん。
でも毎日キラキラした眼差しで舞台を観てくれるお客様の前で踊ることが本当に楽しくて幸せであった。

A・Bチームのダブルキャストで、平日は1日4回公演、土日祝日は6回公演。
ダブルキャストなので、幕間時間も沢山あり同じチームメンバーで空いている時間にレッスンしたりストレッチしたり筋トレしたり。
色んな仕事の話もした。
他のチームの同じ役の先輩はサンリオが長い方だったので色んな事を教えて頂き勉強になった。

舞台に立つ仕事いう同じ道を歩んでいる仲間達の話は本当に刺激になり、皆んなそれぞれに色々な考えと経験値を持っていた。

そんな話をする中で、ある先輩が私に1つのアドバイスをくれた。

それはネームバリューを持つという事。
折角、東京まで来たのだから何かネームバリューを持って地元に帰らなければ勿体ない。
私には到底考え付かない提案だった。

サンリオピューロランドのダンサーよりも、もっとネームバリューを持つ舞台。

それは劇団四季。

小さい頃から宝塚歌劇団に入りたかった、しかしその道はもう閉ざされた。
そんな私が次に出来る舞台。

劇団四季を目指してみようか。

また新たな目標を見つけた私は、サンリオピューロランドのダンサー契約の更新時期を迎える。


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