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プロフェッショナル

研究生として3〜4ヶ月経ったぐらいだろうか。
バレエやジャズのレッスンを劇団員の人と一緒に受ける事が出来るようになる。

劇団員の人の中には、ローザンヌ国際バレエコンクール受賞者もいらっしゃって本当にプロフェッショナルすぎて開いた口が閉じない自分を覚えている。
本当に良い経験をさせてもらった。

バレエやジャスのクラスは実力でランクが決められている。

1番上手なクラスがAクラス
普通クラスがBクラス
そして頑張らないとダメなクラスがZクラス

研究生は試験で自分のクラスが決められている。私は、バレエもジャズも両方ともBクラスだった。
可もなく不可もなし…。

半年もすると何となく、自分に合う演目を考えて課題曲を決めて練習する。

小さくて可愛い女の子はファミリーミュージカルやキャッツのメモリーなど。

背が高くてダンサーで大人っぽい子は、ソング&ダンスやミュージカルの曲を。

中途半端な私のような人は、ロングランミュージカルの曲を。

なんとなく自分のキャラクターを想定して、課題曲は自分で決める。

今考えたらこの曲決めが本当に難しくて、自分の技量や容姿に伴わない曲を選んでしまうと、即クビになる事もあり、本当に悩んだ思い出がある。

歌の試験は、いきなり抜き打ちで行われる事もあり、いつでも披露出来るように準備しておかなくてはならない。


研究生は特に可愛がって貰える事もあり、先生のお気に入りの子?なども出来てくる。

私は、海外ロングランミュージカルなど担当している先生が大好きで、先生もいつも私の名前を呼んでくれて気にかけてくれた。ダンスの試験の時も色々と指導して下さった。


研究生も、8ヶ月を過ぎて来るとボチボチ呼ばれて舞台のお稽古に入れる事も多くなる。

私は、予想していた通り、当時ロングラン公演をしていた「ライオンキング」のお稽古をさせて貰える事になった。

この演目は23年経った今でも、ロングラン公演し続けている公演で本当に素晴らしい作品なのだが、観るのと演るのは大違い!

本当にお稽古は大変過ぎて、ただ振りを覚えて歌ったり、踊ったりするだけでは無く、パペット(それぞれの動物の被り物やお面)でその動物の目線で演じないといけない。

私はシンガー枠のアンサンブルの役を練習していたのだが、まずプロローグはバードから始まり、その次は草原の草→ライオン→ハイエナ→ライオン→2幕のはじめの棒に付いた鳥→ライオン→花→バードのように早変わりで沢山のパペットを扱う。

もうハイエナの歩き方なんてどうしたらいいか…毎日毎日鏡に向かって夜遅くまで、皆んなでパペット稽古。

パペット稽古が仕上がって先生のOKが出ない事には、公演の稽古に参加させて貰えないのである。
歌のお稽古もするけど、まずパペット稽古。
パペットを操りながら歌わなくてはならないのだ…。

私とパペットとの戦いはまだまだ続くのである。

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