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第26回ちゃんと戦う、最強の障害者「児玉さん」

以前書いた村ちゃんの同僚の障害者の児玉さんと話した時の続き。
前回は、児玉さんが人に好かれる理由がわかった。すっごい笑顔で笑って、いろんな経験をしたことで人に優しくできること。僕と一緒で人見知りやけど、会ったらわかる。。そんな人。前回は雰囲気伝えるために(笑)をたくさん入れてましたけど、もうほぼ入れてません。言わずもがなで。

今回は児玉さんの若い時の話から、、昔の障害者の扱いの話も。僕はかなり衝撃的でしたよ。

【2020年6月頃児玉さん宅】

陽)「とはいえ僕は児玉さん
   昔から優しいなって印象ですけど、
   若い時から?」

児)「20〜30代の時はケンケンしてたと思うよ。
   ちょっとなぁ、ケンカっぱやかった」

陽)「めっちゃ意外!どんなことで?」

児)「同僚とか作業所の職場の人たちと
   喧嘩してたよ。
   なんかこの人嫌いやなぁ〜
   って思う職員がいててて、
   そいつの前では何言われても
   知らん顔してりしてたんよ。
   僕より年下の職員さんで、嫌いやったわ〜」

陽)「そんな時があったんや!笑」

児)「20代の頃は同僚とか友だちがいじめられて、
  『腹立つな!』って思った時に、
  喧嘩しに行こうって言うたりしててん。
  こっちは車椅子5人で、
  向こうも障害者5人やったんやけど
  1人だけ
  ツエついて立てる人がおってん。

  だから力では負ける思って。
  直前に「もうやめよか」
  言うてる時がおもろかった。
  暴力的な喧嘩はなかったけど、
  口でよく喧嘩してたよ」

陽)「児玉さんスキューバダイビングとか
   色々挑戦してるけど、それは若い時から?」

児)「いや、僕な、
   22歳くらいまでずっと家におったんよ。
   学校も行かんと、家で家庭教師来てもろて、
   そういう感じで家ですごして。
   23の時に始めてリハビリ施設に入ってん。
   そしたらな、そこに僕と同じような人が
   何十人もいてたんよ」

陽)「脳性まひとか、身体障害者とか?」

児)「そう。そこは小さなとこやけど、
   僕にとってはすごい社会や。
   だから初めは恐かったんよ。
   でもある時、新聞見ながら
   『この漢字なんて読むんやろう』って
   みんなで言うててん。
   みんなは養護学校を出て来てたけど、
   僕だけ養護学校でてなかったんよ。

   それでな、
   みんなはその漢字が読めへんかったけど、
   なぜか僕は読めたんよ。
   それからすごいな、自信が出て来た。
   『学校に行ってるから偉いとか
    じゃないな〜』

    思うようになったんよ。
    勉強が出来ることよりも
    『人としてちゃんとしてる方がいい』
    って自信持つようになったんよ。
    それからかな、
    児玉明宏ができてきたと思うねん

陽)「それが22歳か〜なるほどね。
   児玉さんの障害って生まれつき?」

児)「うん。色々あるけど僕はそう。
   ただ、僕が生まれた当時は
   まだまだ障害者は蔵とか家から出さない
   ような世の中やったんよ」

陽)「蔵!?」

児)「うん。家の裏にあるような。
   なんか近所の人に見られたら
   恥ずかしい
っていうような、
   昔はそんな考えが多かった」

陽)「児玉さんも蔵に入ってたん?」

児)「僕の家はそうじゃなかってん。
   その頃でも、
   親は僕を抱いて公園行ったり、
   お袋は僕を連れてスマートボールしに
   遊びにいったりしてくれた。
   世の中の風潮を気にせんと
   育ててくれたと思う。

   それはな、すごい感謝してる」

陽)「やっぱ家庭環境で
   人って変わったと思う?」

児)「うん。性格が暗くなってしまったと思う。
   施設にいてる時に
   すごい驚いたことがあってん。
   ある時仲良くなったやつがおったんよ。
   同級生くらい。
   そいつは歩けてるんやけど…
   施設に来るまでは、
   蔵に閉じ込められてたって言うてた。
   見た目は普通なんやで!?
   ちょっと片足引いてるくらい。
   そんな時代があったんよ」

陽)「そうなんや!
   今やったら考えられへんね。。」

児)「僕の過去を話したら
   もう一個すごい
   印象に残ったことがあるんやけどな。
   6歳の頃にベビーカーを改造してくれて、
   車椅子みたいにして親と出かけてたんよ。
   そしたら向こうから、
   手を繋いで歩いてる
   僕と同じくらいの子供とおじいさん

   と、すれ違ったんよ。
   それでな、
   子供は何も考えんと
   『なんであんなん乗ってんの?』
    っておじいさんに聞いたんよ。
    そしたら、おじいさんは
   『あの人は悪いことしたから
    ああなったんやで』
って言うてたんよ。
    小さい頃やけどめっちゃ覚えてんねん」

陽)「子供は悪気ないんやろうけどねぇ」

児)「うん、そう思う。
   僕はそれを聞いて、
   『悪いことしてないんやけどなー』
   って思ったんよ。笑
   でも、親父はどうおもったんやろうなぁ。
   僕は大丈夫やけど、
   僕よりしんどかったんやろうなって思うねん」

陽)「ほんまやね。よくない時代やな〜。
   よく明るくやってこれたね児玉さん」

児)「他にもな、尼崎で頭のええ高校
   進学するのに落とされたことがあってん。
   ちゃんとテストはクリアしてるのに。
   そのことで全国の障害者団体が詰め掛けて、
   話を聞きに行ったことがあってな。
   教頭が出て来て
   『障害者トイレがないから』とか、
   しょうもない言い訳ばっかりやったんよ。
   それで思ったのが、
   『こんな人に教育されなくてよかった』って
   この学校はこれは白で、
   これは黒っていうことが大事
やねんけど、
   その話で、
   『真ん中の灰色ってあるんやで』って
   教えられ気がしたんよ。
   だから学校はいきたくないって思って。
   それがあって明るくなったし、
   それからもっと自信を
   持つようになったと思う

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この話した時、いろいろ衝撃的やった。
ほんまに今やったら考えられへん話。
児玉さんに聞かんかったら全然知らんかった。

なんかこの話してる児玉さんに思ったのは
「屈さない」って感じ。

降りかかるネガティブな出来事を
ちゃんと力に変えてると思う。
それも前向きな力。

心折れようと思ったら
いくらでもきっかけあったと思う。
人一倍そのタイミング多いはず。
聞いてて、
児玉さん自身が巻き起こしたことないし。
全部降りかかってきてる系。
不条理。差別。
だから児玉さんの凄さがわかりやすいね。

今の児玉さんって
ホンマ明るくて優しい。
そういう性格ってやっぱり
生まれながらにしてってこと
じゃないなって思う。

ある時はバカで、ある時は賢い。

柔と剛

受け流したり、戦ったり。

なんか児玉さんって最強な気がするな

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