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試食できなくなるのがほんとつらい(転職します⑬)

今日は有休だったのだけど撮影の日だったので、昼くらいに白金の撮影スタジオへ伺った。そこには志村くんがあっちへ行ったりこっちへ行ったり頑張っていたので見守りつつ、撮影が終わったお菓子などをめざとく見つけて、フードさんに「これ食べてよいですか、こちらはまだだめですか」と許可を取りすぐさま食べていた。そんなことをしていたら、取引先様やってきたので、挨拶しつつ実は辞めます旨お伝えする。とりあえずひとしきり驚かれ、ただし最近は全体的に志村くんフィーチャーになっていたので吉村は異動なのかなと予想していたとのこと。先方、成田から来てくださるお花のメーカーさんで、わたしが着任した当時よりもずっと前からうちの会社のことをやってくださっているし、担当のお兄さんはわたしと同じ滋賀作なのでとくに好きなお取引先様だった。だから今日も、「こないだ京都のやつと酒を飲んだときに、『滋賀県は京都の子会社』と言われたんだ…」と涙ながらに伝えると、先方たいそうご立腹で、「明日と言わず今日琵琶湖の水を飲めなくするべき」という、滋賀作のいつものあれをやってくれて、ですよねって安心した。撮影が終わり、皆様お帰りになっていく。お見送りする際、「吉村さんに会えるの最後ですよね?」と言われて、そうですねと伝える。最後なんだと私も実感が高まる。握手して、「わたしの我が儘でいつも困らせてすみませんでした、いつも寄り添ってくださって本当にありがとうございました」と伝えると「(それはさておき)楽しかったです!」とのお言葉。みんなが自分の仕事を一生懸命やって、世の中は回っているんだと痛感する。こんな気持ちの応酬が、それが、何よりの報酬でございます。若い子にも無理をさせたな…よく耐えてくれたな…と感謝の気持ちでいっぱい。ごめんね、ありがとう、皆様にとびっきりの特大の幸が有りますように。車が出発するのを見守りながら、またさよならを経験した。


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