やわらかな仏教のことば 6/1250 「空海(くうかい)」②/同行(どうぎょう)」
一番から十一番までだが、実際に八十八箇所を歩いたことがある。
誰かと一緒の区間。
ひとりの区間。
それぞれに得るものがあった。
ひとりの時。
それは自分の心、そして自分の身体と向き合う時。
「限界」と感じられる中で、それでも右足を出し、左足を出す。
ただこれを繰り返してさえいれば、必ず目的地には着く。
その一心で、遠くを見据えるのではなく足元を見ていた。
千里の道も一歩から、をこれほど実感したことはない。
この時。
孤独な道を行っているようでいて、「伴走者」がいたように思う。
はじめて来た土地で地図をほとんど広げる必要がなかったのは、次の目的地の方向と距離を示してくれる看板(を立ててくれた人々)のおかげ。
どこであっても「道」ができていたのは、これまでここを歩いてきた、数えきれない人々のおかげ。
そして──
誰よりも、お大師さんのおかげ。
けれど。
「同行二人」は決して、四国だけのことではない。
あなたの隣で、あなたの歩みをいつも見守ってくださっている方(々)がいる。
あなたはいつ何時も、決してひとりではないのだ。
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