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就活は「やりたいこと」がなくてもなんとかなった(後編)

今回は以下の記事の続きである。

将来の夢、実現したいこと、10年後のビジョン・・・。

いわゆる「やりたいこと」が明確な周りの就活生を眺めて焦りを感じていた自分は、

「やりたいこと」で就職先を決めるのはナンセンスだ!

と思うことで落ち着きを取り戻しつつ、

「やりたくないこと」ならいっぱいあるぞ!

と思い立って、職種をバンバン絞り込んでいった。

なんて後ろ向きな就活なんだと我ながら振り返って思うが、最終的に会社を決めるときはそこそこポジティブな判断基準で決めたと思う。

自己分析で失敗した話

繰り返すが、自分は「やりたいこと」があるに越したことはないと思っている。なので、前編で話した考えに至るまでは、必死に「やりたいこと」を探していた。

探すために何をしていたかというと、いわゆる「自己分析」である。

まず、過去を振り返ることで、自分の長所や短所をあぶり出し、「向いていそうな職業」を考えた。そして、同時に考察した「興味を持つ対象の傾向」との合算で、「その職業の中で興味が持てそうな仕事」を無理やり作った。

自分はこれを「やりたいこと」だと思い込むことにした。インターンの面接で「なぜこの仕事に興味があるの?」を聞かれたとき、いけしゃあしゃあと答えていたのを覚えている。

でも、今でこそ言えるが、このやり方はかなりまずいと思う。

仕事を実際にやったことがない大多数の就活生にとって、「向いていそうな職業」なんて酷く曖昧なものだ。「興味を持つ対象の傾向」もあくまで「傾向」。この二つから生まれた「やりたいこと」なんて何の根拠もない。

こんなあやふやなビジョンで就活しようもんなら必ずボロが出る。面接で詰められたら噛みまくること請け合いだし、自分も案の定噛みまくった。

「やりたいこと」より「なりたい自分」

じゃあどうすればよかったんだろうと考えると、やっぱり自己分析の目的設定が間違っていたんだと思う。

結論から言ってしまうと、自己分析の目的は、「やりたいこと探し」ではなく、「なりたい自分探し」に設定するべきだ、と考えている。

つまり、過去を振り返ることで、「自分がいままでどうあろうとしてきたか」「どんな状態が自分にとっての”幸せ”なのか」を考える。そしてそれらを踏まえ、「どんな自分になりたいか」に発展させていくのだ。

例えば自分の場合だったらこんな感じだ。

プレゼンテーション1

「なりたい自分」は、過去を踏まえてさえいれば自由に決めていいと思う。これまでの人生で体現してきた生き方をそのまま実現するもよし、ずっと憧れてきた、または達成しきれなかった生き方に新社会人というタイミングで挑戦するも良しだ。自分はどっちかというと後者で決めた。

この自己分析の良いところは、想像を全く含んでいないことだ。これからの未来を示す「どんな自分になりたいか」も、過去のファクトベースの自己分析から得たありたい姿の延長に過ぎない。確度が高いのだ。

そもそも、いままで仕事のことを考える生き方をしてこなかったのだから、「仕事」に関する情報は、いくら自己分析をしても出てこないはずで、「向いている仕事」「やりたい仕事」の推定はどうしても曖昧になる。

でも「どんな自分になりたいか」は生きていればみんな考える。考えていなくても無意識に行動している。つまり新卒であれば、みんな20年程度キャリアを積んだベテランなのだ。

「なりたい自分」が決まったら面接はだいぶ楽になる。「やりたいこと」を聞かれたときは、「なりたい自分」を一番実現できそうなキャリアプランを話せば大抵クリアできる。

(もちろんこれでクリアできない会社もあったけど、それはその会社が「強烈にやりたいことを意識している人」を求めていたんだな、と思ってスッパリ諦めていた←)

こんな感じで「なりたい自分」をひたすら面接で伝えていったら、無事に将来の弊社に内定を頂けた。「なりたい自分」の実現場所としてピッタリだなと思っていたし、面接官の方々もそこにマッチングを感じて採ってくれたのだと思う。本当にありがとうございます。

「やりたいこと」がない皆さんは是非、積み上げてきた「なりたい自分」を考えてきたキャリアを信じて自己分析をやってみて欲しい。意外と夢が広がって楽しいよ。

最後に

ここまで書いておいてなんだが、ぶっちゃけ「やりたいこと」だけでなく「なりたい自分」なんか整理しなくても、就活そのものは多分乗り切れる。

それでもこのnoteを書いたのは、「やりたいこと」がない人も、真剣で、情熱的で、嘘のない、後悔のない就活をして、自分の未来に投資するようなモチベーションで会社を決められたらいいな、と思ったからだ。

もちろん「県内で働ける」「給料が高い」「福利厚生が良い」など、いわゆる「条件」の面だけで考えて、プライベートに全力を注ぐために会社を選ぶのも一つの手だ。

でも、人生って一度きりだし、仕事って一週間のうちの5/7を占めるのだ。仕事にやりがいを求めるかは人それぞれだと思うけど、仕事を通して「なりたい自分」を全く実現できないとしたら、それはあまりにも一週間を無駄にしすぎではなかろうか。

よく「work life balance」なんて言うけど、個人的には「work is also life」なんじゃないかなと思うのだ。仕事もまた生活。両方を天秤にかけるのではなく、仕事とプライベートのトータルでどんな自分を実現したいかで就活を進めたほうが楽しいし、後悔しない気がするよ、っていう後輩へのささやかなアドバイスでこのnoteを締めようと思う。

よい就活LIFEを。

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