「空気の研究」とコロンブスのMV(Mrs. GREEN APPLE)・・・悪いことを止められない理由

他のブロガー記事を引用する。

Mrs. GREEN APPLEが2024年6月13日に公開した新曲『コロンブス』のMV(ミュージックビデオ)の映像や演出が、人種差別を助長しかねない内容になっているとして、リリース当日に公開停止となり、大きな注目を集めました。

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私もオリジナルを確認したが、酷いものだった。類人猿のような人たちに、コロンブスが何かを教えたり、使役するのは、完全に差別とみなされても仕方がない。

問題は、「なぜ、誰もこれを止めなかったのか?」である。

ジャニー喜多川氏による、青少年に対する性暴力(レイプ)にも言えることだ。オウム真理教もそうだ。

柴崎さんは自身の業界での経験を振り返り「プロジェクトの規模がでかくなればなるほど、全員にとって、(なんならアーティスト本人たちにとっても)『他人事』になっていくものなんですよね」とも書いています。

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結局、こういうことだろう。物事が大きくなりすぎると、「もう、自分の手では止められない」し、「自分が責任者じゃないからいいや」となってしまう。

大東亜戦争と、真珠湾攻撃にも言えることだろう。当時、「もう、アメリカと戦争するしかない」という「空気」(雰囲気)が、日本政府にも軍部にも充満していた。その中で、一人だけ反対を叫んでも、どうしようもない・・・そのようになってしまったのだ。このことは、山本七平の「空気の研究」という書籍に書かれている。

これは何も、日本だけで起こる現象ではない。ナチスが支配するドイツにおいても、とても悲惨なことが行われた。誰も止めることはできなかった。

私自身、最初の会社のITプロジェクトでは、徹夜を強制され、徹夜明けにも出社を指示され、拒否して休暇をとると宣言すると最低評価にされた。過労死ラインであっても出社しなければならないと上層部は考えていたことになる。もし、出社していたら、私は今、この世にいないかもしれない。

電通の高橋まつりさんもそうだ。NHKの佐戸未和さんもそうだ。

事の大小はあるが、日本テレビの朝の情報番組でのアイヌ民族差別もそうだろう。なぜ、北海道出身の加藤浩次がいたのに、止めなかったのか?

物事が大きく動いているとき、その流れに逆らうのは非常に難しい。だが、それができなければ、人権侵害や、最悪の場合は人の命が奪われることもあるのだ。

全体主義が生まれる理由については、哲学者のハンナ・アーレントや、心理学者・哲学者のエーリッヒ・フロムが研究成果を書籍として出版している(「全体主義の起源」「自由からの逃走」)。

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