半導体業界の解説

半導体業界を簡潔に、しかし詳しく説明しているかなりの良記事だ。図解があり、これを見ればだいたいのことは理解できるだろう。

IDMは、研究開発や設計などの上流から、実際の製造まで一貫して全てやる会社だ。サムスンやテキサスインスツルメンツなどが該当するだろう。

ファブレスは、研究開発や設計だけ行う企業だ。NVIDIAやARMなどがそうだろう。逆に、製造だけやるのはファウンドリーだ。TSMCなどが代表格で、台湾企業に多い。

装置メーカーも、多岐にわたる。ASMLやキヤノンのような露光装置(光をあててパターニングする)をつくる会社もあれば、ダイシングといってチップの形にカットする装置(ディスコなど)、検査装置など色々ある。

部材も幅広い。ウェハのもととなるシリコンや、感光剤(フォトレジスト)といって光をあてると回路として焼き付く液体もある。フォトレジストはJSRが製造している。

半導体商社もある。今日調べて初めて知ったが、Arrow Electronics Incというアメリカの会社が世界一らしい。日本のマクニカは7位だ。マクニカはただ半導体を右から左へ流すだけではなく、技術者も抱えてソリューション営業ができる優秀な企業だ。

こうした企業は役割分担ができており、どこか一社でも無くなると半導体は製造できなくなる。実は、薄氷のサプライチェーンなのだ。TSMCが消滅すれば世界の多くの半導体を製造できなくなり、スマホもPCも消えるだろう。中国の台湾侵攻があると想定すると、可能性がゼロではないのが怖いところだ。だからこそ、日米は多額の補助金で国内にTSMCの工場を誘致したのだ。ASMLが消滅しても、露光ができなくなり、回路をつくれなくなるだろう。

今までは微細化といって、回路を細かく小さく形成することで高性能化をはかってきたが、限界にきている。チップレットなど、立体化する技術をめぐって、世界の企業や大学は争っている。

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