とっても大切な調達(購買)の話

サプライチェーンにおいて、生産管理は頻繁にトピックに上がる。だが、調達(会社によって呼び名は異なる、購買、資材ともいう)が重要トピックに上がることは少ない。

ところが、この調達、非常に重要なのである。トヨタ自動車は、全ての部品を製造できるわけではない。当たり前だ。自動車の部品点数は何万点にも及ぶ。これを全て製造するなど不可能なのだ。そのため、トヨタ自動車は、何段階かにわけて部品を購入することになる。Tier 1といわれるのがデンソーやアイシンである。トヨタ系列のTier 1は平気で数兆円の売上高があるので、異次元の規模である。

日産自動車の場合は、系列は崩壊したと言われる。カルロス・ゴーン氏が社長の時に、系列ではなく、コストが最も低い会社に発注するように変更された。だが、この慣行が、日産による下請け叩き(下請けいじめ)を生んでしまった。日産は、調達先に対して原価低減のノルマを課した。そのノルマを達成できないと、調達先は切られるのではないかと恐怖におびえていた。それが所管官庁にばれて、日産は行政指導されることになった。原価低減も重要だが、それだけにフォーカスすると、調達先は「良い品質のものをつくろう」とする意欲を失ってしまうだろう。それが、多くの製造業で品質を捏造するインセンティブにつながってしまった。日本の製造業は、いつから「安かろう、悪かろう」になったのか?プライドはないのか?

色々と熱くなってしまった。以下、ものづくり太郎さんも調達の対談動画を出している(旧松下電器でご活躍された方との対談)ので、ぜひ視聴してみてほしい。


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