見出し画像

疑問をもつためには?

前説

「何がわからないか」がわからない。

もう昔からずっとこの問題に悩まされていた。
高校までは暗記のごり押しで何とかやってきたタイプの自分にとって、

「何か質問のある人?」

という言葉はウッとなり胸に刺さる。

なぜなら、暗記するだけの行為に疑問をもつ必要がないからだ。書いてある文言を覚えるだけの作業。そこに疑問を浮かばせる余地などない。

しかし、大学へと進学したらただの暗記だけでは太刀打ちできなくなった。
単純に学習範囲が格段と増し、そのうえ、臨床の場面への応用を求められるようになったからだ。

極めつけは、ゼミでの研究。研究するためにはまず研究テーマを掲げる必要がある。テーマを掲げるためには疑問をもつ必要がある。

しかし、今まで暗記一辺倒でやってきた自分には何も浮かばない。

Q.先行研究から何か疑問になるものはないか?
A.特にない。

Q.今までの日常でこのトピックについて気になることはなかったか?
A.特にない。

……幸いゼミの准教授の協力もあり、テーマは出すことはできた。しかし、研究する過程でやらなければいけないことがある。

論文だ。

そしてその論文では、最後に考察なるものを書くのだ。

考察:物事を明らかにするために、よく調べて考えをめぐらすこと。

そう、考えを巡らせる必要がある。案の定、何もそこから考えることが出来ず、ほぼ准教授のご助力で事なきを得た。

どこが自分にとってわからない部分なのかがわからない。そもそもどこで躓いたのだ?現在地はどこだ?この話の目的地はどこだ?我々はどこから来たのか我々は何者か我々はどこへ行くのか。

……そしてそのまま社会人になり、10年目を迎え、「疑問想起困難症」を発症し、「質問のある人?恐怖症」を併発していた。

しかし、最近になって、

「いなば君は質問がよく出るね」
「いつも素晴らしい質問ありがとうございます」

と言われる機会があった。

……はて?自分がなぜそんな対極にあると思っていた言葉をもらえたのかがわからなかった。けども、間違いなく嬉しかった。

ただ、このまま嬉しいで終わったら勿体ないと思い、なぜ質問が出来るようになったのかを自分の中で言語化してみた。

論理構造とベン図

この2つで物事を理解するようにしている(2週間前から)。

①論理構造

A→B(AだからBである)
C→D→E(CによってDが起こり、Eになる)

みたいな、話の整合性が合って、物語のつじつまが合うことを論理構造だと思っている(あくまでも自分の定義だが)。なので、この流れが堰き止められたり、いきなり話がすっ飛ぶとすごく違和感がある。

小説だと、勇者が魔王城に入った途端、勇者が魔王を倒していて、
「いや、どうやって魔王倒してん!?」
みたいなやつ。

だから、話の流れが最初から汲めていると、どこで違和感があったかがわかるし、逆に考えると最初がわからないと後になって、「何がわからないか」がわからない事になってしまう。

おそらく30歳になるまでの自分は、この基礎をずっと無視してきたんだろうと推測できる。いや、自覚はあったが無視していた。なぜならそういうの嫌いだから。

②ベン図

ベン図ってなんやねんって思った人はこちらをどうぞ。

参照:Wikipedia

みたら「ああ」となったと思う。これ、ベン図。Xという全体があって、AとBの円があって……みたいなやつ。

話Xの中に説明Aと説明Bはあるけど、まだ説明しきれていないAとB以外の範囲があったときに、そこってどうなっているの?という疑問がわく。

昔話でいうと、桃太郎の物語上、イヌとサルとキジが仲間になるという情報はあるが、話の中でイヌとサルの活躍しか説明されていなくて、
「キジはどんな活躍したの?」
みたいなやつ(正直これは芯を食った説明ではない気がする)。

なので、その情報が頭に入っていないと「ああ、全部説明してもらったわ」という勘違いをして、AとB以外の部分はどうかという質問が浮かばない。


後節

論理構造は話の流れの違和感。
ベン図はAもしくはB以外。
この2つを頭に浮かべて質問をしていた……とは言っても、最近意識して始めたことなので、まだまだ構造は甘ちょろりんである。

こんなカッコつけた文章書いておいて、それ以降質問していなかったら、その時は、構造化できていないか、ベン図におけるXを把握していない場合だと笑ってほしい。

構造化については、図で書くのが個人的にはしっくり来ている。
ベン図のXについては、事前準備や勉強が必要と思われる。

なので学びには理解と暗記の両輪が必要で、どちらかに偏ると日常で活かせず陳腐化してしまう気がする。


参考サイト

「何がわからないか」がわからないをそのままにしておかない技術モドキ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?