FGOの話をしよう２

　巴大好き。

　私が課金を初めてしたのはEXTRA（CCC)の鯖ピックアップ（確率倍）とかだったら良かったのだが、実際には全く関係ない鯖であった。そもそもアーチャーはstay nightの奴だし（厳密には違うが）、セイバーはストーリー限定ガチャだし、キャス狐こと玉藻は年始の単独PUで無課金ガチャで来たのである。私の初課金は福袋を除けば、新クラスとして初めて実装されたフォーリナー、アビゲイル・ウィリアムズである。２万円を投資し、見事に爆死した。同時にPUされていたミドラーシュのキャスターは初めての宝具レベルマックスの鯖になった。

　まともな社会人にはたった２万円だが私は障害者としてフルタイムとして働けないために月に使える娯楽費用はこの時点でほぼ使い果たしたのだった。あまりにも痛恨の浪費であり、ここで私は冷静に成った。

　では、ガチャの話をしよう。FGOにおけるガチャは聖晶石召喚という、聖晶石というアイテムを３個集めれば１回分ガチャを回せる。そして１０回分をまとめて回すのであればシークレットレアである星４の礼装（装備品）か、星４のキャラクター以上のレアが保証されている（更に余談であるが必ず星３以上のキャラが１体約束されている）。ここに私は引っかかりを感じた。

　つまり、逆に考えれば１０連分と言いながら、１枠はレア度の星４（ほぼ礼装）で割かれているのだ（そしてもう１枠は星３以上サーヴァント枠である）。つまり９連分しかない（星５礼装が欲しくても９回分しか無い）。最高のレア度のSSRは１％（礼装を合わせて５％）の排出率であるから１枚を狙うのであれば１００連分回さないといけないというのは間違いである。つまり１０連ガチャで９回、１１０連してようやく９９回分回したことになるのだ。

　でも星４はかならず出るじゃない？と突っ込みたくなると思うが、保証枠内での排出率に関しては全くの説明がなされていない、だが有志によって検証が行われ、星５の排出率は公式で説明されている確率とほぼ誤差という答えが出ている。これは最低保障枠を含めた物と思われる。

これが最低保証のみ、というグロ画像とよく言われる物である（この中に有用な低レアのものは一切ない。現在は星３サーヴァントが確定されているのでこれの一つに星３鯖を含めたものがかなりの頻度で目にすることになる）　

私の考えを話すとその最低保障枠でも星５の排出率も通常枠と全くの同じであり、その保証枠の星５排出率も５％ではないか？と思っている。つまり保証枠では星４礼装とキャラが９５％であり、星５以上が５％なのでは？と考えられるのだ。

　つまりのところ、１０連とは確定枠が存在する為に実際の試行回数と確率の誤差が出るのでは？と思った。それに、目当ての当たりを引いた場合と、大外れの場合での損害が一緒（聖晶石３０個）なのである。私としてはこの２万円爆死で本来絶対に行ってはいけないベットをFGOのガチャに置いて行っていたのだった。ギャンブルにおいて絶対にやってはいけないことは勝ち目もないのに上限いっぱいまで賭けることである。つまり、聖晶石召喚での１０連ガチャで聖晶石を３０個一瞬（あくまで体感時間が重要である）で溶かすことである。

　ギャンブルにおけるバカラでは胴元である運営のイカサマをする余地がない（ほとんど無理）。ブラックジャックとかとは違い客側のテクニックやイカサマも入り込む余地はないゲームである。何故ならバカラはゲーム内プレイヤーのどっち側が勝つのか？を予測するゲームだからである。そして確率的に若干バンカー側が有利という位である（だから勝つには常にバンカー側が賭けるのだが、その場合必須のテクニックに『賭けるチップを増減する』というのが有るくらいである）

　つまり、私の『降臨者アビゲイルちゃんお迎えできなかった』敗因は『マックスベットである聖晶石３０個を常に賭けて２万円を一瞬で溶かした』なのである。ギャンブルならばゲームに常に参加しながら勝利の目がバンカー側に偏るのを待ってからの賭け金の額を釣り上げるである。勝ち目がないならばさっさと引き上げ、勝ち目が有るなら最低額を賭けながら持久戦を行い種銭を長期的な期間で増やすしか無いのである、この視点は私がFGOでガチャをする時に全く頭から消え失せていたのだ。この敗戦を機に１０連を引くことを一切諦めた。それ以降はガチャは単発で引いたものである。

　結論から言うと『大勝利』と言ってもいい戦果である。星５鯖も星５礼装も充実し、月によっては先月課金した分の聖晶石を残して新たなガチャに望める状況もあったのだ。

　と、ここで終わっては泥沼ではない、怖いのは成功体験を元に引き際を間違えて更に上限金額を設定してしまうことである。

　その機会はスカディ実装時の運営太っ腹の聖晶石ばら撒き事件である。ただでさえ持ったことのない数の聖晶石と、スカディ一本で他の水着鯖にも目をくれずスカディPUを延々と単発で引きまくった、過去最高のアビゲイルと同じの現金２万円も用意して物量で勝つ作戦であった。

　結論から言うと過去最高の石にも関わらず、スカディ（星５キャラの持っている事が人権とされる性能である）は引けなかったのだ。これにはかなり堪えた。一度の敗戦で負け知らずに成ったと思えば、本当に欲しいものになって負けてしまえば意味がないのだ。

　そして次の敗戦は正月の日替わりPUである。私は目の前の新クラス新キャラに目を奪われたが本命はその後の新年新キャラPUで葛飾北斎がまたしてもフォーリナークラスで実装されるというのである。アビゲイルは宝具攻撃前に敵にかかっている厄介なバフを打ち消す強化解除が入ってから攻撃というもの（なので無敵状態の敵を裸にしてダメージを与えるのが強く、攻撃後に強化解除という順番のキャラは低レアでも存在するくらいに希少な効果の順番なのである）でその性能から欲しかったのだが、それ以外はなかなか性能が低く、むしろアーツ宝具である北斎ちゃんのほうが冷静になれば欲しかったくらいである。だがそのチャレンジには挑戦すらできなかった。アビゲイルで既に上限を突っ込んでいるのだ。これを見送り次の年の正月に北斎PUガチャに挑んだ。ここでも上限の２万を突っ込みたったの２日間の単独ピックアップで引けずに敗退した。これが二度目の敗戦である。

　三度目の敗戦は長らく望まれていたFate/stay nightスピンオフ作品のプリズマイリアコラボイベント『プリズマコーズ復刻』である。この復刻の際に新しい星４サーヴァントの美遊・エーデルフェルトが実装された。これまた性能が俺好みであり、星４なら問題なく引けるであろう、と迂闊にも思ってしまった。そしてこのときの私の狙いは星５のサーヴァントではなく、星５の礼装『蒼玉の魔法少女』なのである。

　この装備品はFGOの中では抜きん出ており、場面によっては最高の礼装である『カレイドスコープ（キャラの必殺技を出すために貯めるポイントの８０％がある状態で戦闘を始められる破格の性能である）』を凌ぐのである。

　これが常に排出率が２倍になっており、これを５枚集めて１枚に合体させる（これを限界突破といい性能が更に引き上げられる）ことがこのイベントでの私の本当の狙いであった。このイベントの最大の目玉である期間限定の星５鯖のイリア（キャスターというクラスの中では抜きん出て高いダメージを叩き出す期間限定鯖でも人気が高い）などには目もくれず、ひたすらこの礼装のために注ぎ込める最大の資金を投入した（工面するためにコレクションのMTGのレアカード数枚を手放した）。

　既に書いたとおり、この目的ですら敗北した。２万円を上限と記述したがそれは定期収入における上限であり、別口から工面した場合はその分だけ使っても生活には最低限の生活には支障がない。レアカード売って工面したものと年末調整で帰ってきた分を合わせてこのイベントでは６万円を投入してなお目的のものは１枚しか確保出来なかったのだ。

　支出をきちんと管理しながら行う課金はメンタルへのダメージが半端なかった。家計簿をつけると他人への無駄遣い（この場合、恋人や伴侶になる）への非難へ強い正当性を得るのだが、これが己となると強い自己否定へと跳ね返ってくる。

　１万では予想通り、２万では青くなり、４万で吐き気を催し、ガチャが出来なくなった。そして美遊単独ピックアップ最終日にはFGOから逃避するためにひたすらスプラトゥーン２でナワバリバトルを荒らしまくっていた。

　最後の５万でも星５イベント礼装は出ず、追加でレアカードを売り果たして得た１万円を６回目に投入、その後、単発でガチャって僅か数回で、今まで全く出なかったのが嘘みたいに、星４鯖の美遊・エーデルフェルトと、蒼玉の魔法少女はそれぞれ１枚ずつ出た。

６万円の少女から得たバレンタインイベントでのチョコイベントである。

　これが私の課金の沼へ沈んだ顛末である。どうか、私という犠牲を無駄にしないために課金に関して支出をきちんと記録するように、して欲しい……

　なお、皆が「星５鯖のイリヤに数十万投入しても出ない」というイベント沼ガチャ配信を見ていたが、その時の私はちょうど３枚目のイリヤスフィールを霊基売却していた。（２枚目までは宝具レベル上げに使った）