花嫁の話をしよう(3)

 体調を崩した。マジで創作物でここまで入れ込むことはないんだが、マジで先週のマガジンは読むべきではなかった

 傑作ミステリが駄作になる瞬間、ミステリは登場人物に感情移入できない仕組みにするべきだ。と、僕は常に思ってる。それが正しいと発揮されたのはダンガンロンパシリーズで証明されたと思う。

 では、今週の話をしよう。五等分の花嫁はミステリである、

1:花嫁はか?
2:風太郎はが好きなのか?
3:5年前の出会いをした人物をどう処理するのか?

 という3段階の過程を経てエンディングになる、そう思っていた。思っていたのだ。何故ならばそうでなければ5人もヒロイン候補が居て、それらが双子のトリックをバンバン扱いながら入れ替わり、正体を隠す動機を説明できないからだ、そうだったのだ。

 結果から言うとこの123を全て一つにしてしまった。うーんとそれが何故いけないのか?
 13巻も巻数を重ねる意味は

5年前に運命の出会いを経て再会した彼女と結ばれる」ってのが
実は5年前に出会っていたのは一人だけではない」と明言され
5年前に出会ったもうひとりも風太郎が好きであり、その再会した事実を隠していた」というのを風太郎本人は否定し、後に改め、
それを経て現在から更に5年後に結婚する

という過程を経たからだ。つまりだ、初恋の否定である。まず複数人を個人と誤解していて、その女の子を想っており、女の子も風太郎が好きなのである。問題はそれを「惨めな自分を隠したい」のか「切り札」として持っているのか?だけの違いである。

  この5年前の出会いは四葉(失敗した風太郎)、一花(成功しつつ有り、恋愛レースも勝とうとした)、五月(四葉に協力しており5年前のあらすじを知っていて再会の演技をした)という3名を指摘しなければいけない。そして、過去の因縁とは別に三玖と険悪な関係から逆に変装で恋に落ちた二乃が存在する

 二乃は過去の風太郎を現実の風太郎と同一視できず、そこから金太郎という風太郎の変装に恋に落ちた、その偏見を解き、その誤解を覆す努力をしたのだ。

 そう二乃は四葉のアンチテーゼでもある、四葉はその現在の醜態を隠し通すのではなく正体を明かさない限り、二乃に勝てない筈だったのだ。そして三玖だけは過去の風太郎を知らず、現在の風太郎を正当に評価していた。だからこそ逆説的にヒロインレースは二乃と三玖の一騎打ち、もしくは五年前のあらすじだけ知っていて現在の風太郎を現在として受け入れている五月以外には無いと思われたのだ。

 思ったんだよ!!

 それが何?この

1:「5年前に運命の出会いを経て再会した彼女と結ばれる」ってのが
2:「実は5年前に出会っていたのは一人だけではない」と明言され
3:「5年前に出会ったもうひとりも風太郎が好きであり、その再会した事実を隠していた」というのを風太郎本人は否定し、後に改め、
4:「それを経て現在から更に5年後に結婚する

4つを全部一緒くたにされたんだよ!!確かにラブコメは感情だよ?感情で動くのが正しいよ?でもね!?しかしこの作品は構造が論理的であり、アリバイは確かであり、その過程を積み上げたのを全部感情で判断しちゃった、たしかに風太郎は理性で姉妹達に触れ合ってきたよ?!そこから芽生えた感情こそが花嫁解決編でしかなかったのに?!

 まさかの5年前の因縁に一番囚われたのが風太郎本人とは思えないじゃん!?え?でも現在までも四葉に常に愛情を感じていた?え?なんですかね?それえええ!!!!

 そんな感じでロジックエラーを起こし、自家中毒で体調を崩してしまいました。はい。アホですねわい。

 

この世界に怨念を振りまく(理想:現状は愚痴ってるだけ)悪霊。浄化されずこの世に留まっている(意訳:死んでない)