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新しい終わりの世界の話をしよう

 僕はソンビ映画が嫌いである。麻疹にかかったような作風と違う2流どころか、1流作家まで暇さえあればゾンビ世界を書こうとする。それが嫌いだ。ゾンビという概念を持ち込んだパニック映画は評価しているが、別の作家がサメが陳腐化したような感じにゾンビまで陳腐化するモノを描き続け、遂には日常系のゾンビもの、アイドルのゾンビ、など来る所まで来た感じがしてきた。

 だが、今回の世界恐慌に陥れるだろう、新型コロナウィルスは現実世界だけでなく、虚構創作世界までその力を発揮している。

 そう、ゾンビという概念の刷新だ。これからのゾンビモノは道路など通路という通路に無意味(登場キャラを妨害するためだけに居るはずのない場所にまで登場していた)に登場できないのだ。コロナの暴威が通り過ぎた後は誰がゾンビなのか?分からずに疑心暗鬼の世界で、無人の通路に街の風景こそがゾンビの世界になるだろう。

 そしてゾンビの感染方法も噛まれるなどと言った咬傷ではなく、集会を行っただけで感染するのが令和の正しいゾンビ作法になるだろう。

 僕はゾンビは大嫌いだ。描く必要性すらないと思う。でも新しい世界のゾンビはそれなりに夢想するくらいには魅力だと思う。

この世界に怨念を振りまく(理想:現状は愚痴ってるだけ)悪霊。浄化されずこの世に留まっている(意訳:死んでない)