38日目:タックスプランニングのおさらい
38日目は、31日目から学んでいるタックスプランニングについて復習します。
01.所得税の基本
所得税とは、個人の収入から経費や控除を引いた所得に対してかかる国税の一種です。所得税は、所得の種類や金額によって税率が異なります。所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得が対象となります。所得税は、会社員の場合は毎月の給与から源泉徴収され、年末調整で精算されます。個人事業主やフリーランスの場合は、確定申告を行って自分で納める必要があります。
税金の分類とは、税金の性質や課税主体、徴収方法などによって分けることです。税金の分類には、以下のようなものがあります。
国税と地方税:国が課税主体であるものを国税、都道府県や市町村といった自治体が課税主体であるものを地方税といいます。所得税は国税です。
所得課税と消費課税と資産課税:何に税負担を求めるかによる分け方です。所得課税は所得に対する税、消費課税は消費に対する税、資産課税は資産等に対する税です。所得税は所得課税です。
直接税と間接税:徴収の方法による分け方です。直接税は納税者が直接国などに納税する税、間接税は消費税のように事業者などが消費者から一度税金を預かって納める税です。所得税は直接税です。
目的税と普通税:税収の使途による分け方です。目的税は特定の目的に使われる税、普通税は一般の財政に使われる税です。所得税は普通税です。
申告課税と賦課課税:納税の手続きによる分け方です。申告課税は納税者が自分で申告して納税する税、賦課課税は国などが納税者に納税額を通知して納税させる税です。所得税は申告課税です。
以上が、所得税と税金の分類の基本的な説明です。
02各所得の計算
各所得の計算方法は、所得の種類によって異なりますが、基本的には以下の式で求めます。
所得金額 = 収入金額 - 必要経費
収入金額とは、その所得を得るために受け取った金額のことです。必要経費とは、その所得を得るために支出した金額のことです。必要経費は、所得の種類ごとに認められるものが異なります。
たとえば、事業所得の場合は、仕入れや経費などの実際にかかった費用を必要経費として差し引くことができます。給与所得の場合は、必要経費を特定することが難しいため、収入金額に応じた一定額の給与所得控除を必要経費として差し引くことができます。
03課税標準の計算
課税標準とは、消費税や法人税などの計算の基礎となる金額のことです。課税標準の計算方法は、税目や取引の種類によって異なります。
消費税の課税標準の計算方法は、以下のようになります。
適格請求書等保存方式の場合:課税期間中の課税資産の譲渡等の税込金額の合計額に110分の100(軽減税率の場合は108分の100)を掛けて計算した金額が課税標準です。
税抜方式の場合:課税期間中の課税資産の譲渡等の対価の額(税抜価格)の合計額が課税標準です。
税込方式の場合:課税期間中の課税資産の譲渡等の対価の額(税込価格)の合計額に100分の税率を掛けて計算した金額が課税標準です。
法人税の課税標準の計算方法は、以下のようになります。
一般法人の場合:法人の所得金額から法人税等の額を差し引いた金額が課税標準です。
一定の中小企業の場合:法人の所得金額から法人税等の額と中小企業減税額を差し引いた金額が課税標準です。
以上が、課税標準の計算の基本的な説明です。
04所得控除
所得控除とは、所得税の計算の際に、所得金額から差し引くことができる金額のことです。所得控除の目的は、納税者の個人的な事情や社会的な要因を考慮して、税負担を軽減するためです。所得控除の額が多いほど、納める税金が少なくなります。
所得控除には、以下のような種類があります。
給与所得控除:
給与等の収入金額に応じて、一定額を所得金額から控除することができます。
特定支出控除:
給与所得者が医療費や寄附金などの特定の支出をした場合に、確定申告により所得金額から控除することができます。
雑損控除:
災害や盗難などで資産に損害を受けた場合に、所得金額から控除することができます。
社会保険料控除:
社会保険に加入している場合に、支払った保険料の一部を所得金額から控除することができます。
生命保険料控除:
生命保険に加入している場合に、支払った保険料の一部を所得金額から控除することができます。
地震保険料控除:
地震保険に加入している場合に、支払った保険料の一部を所得金額から控除することができます。
寄附金控除:
一定の寄附金を支払った場合に、所得金額から控除することができます。
障害者控除:
障害者である場合や、障害者を扶養している場合に、所得金額から控除することができます。
寡婦控除:
寡婦である場合に、所得金額から控除することができます。
ひとり親控除:
ひとり親である場合に、所得金額から控除することができます。
勤労学生控除:
勤労学生である場合に、所得金額から控除することができます。
配偶者控除:
配偶者がいて、その収入が一定額以下である場合に、所得金額から控除することができます。
配偶者特別控除:
配偶者がいて、その収入が一定額以下である場合に、所得金額から控除することができます。
扶養控除:
扶養している家族がいて、その収入が一定額以下である場合に、所得金額から控除することができます。
基礎控除:
所得税の納税者である場合に、所得金額から控除することができます。
以上が、所得控除の基本的な説明です。
05税額の計算と税額控除
税額の計算とは、所得税の納税者が支払うべき税金の額を求めることです。税額の計算方法は、以下のようになります。
税額の計算方法 税額 = 課税所得金額 × 税率 - 税額控除
課税所得金額とは、所得金額から所得控除を引いた金額のことです。所得控除とは、所得税の計算の際に、所得から差し引くことができる金額のことです。所得控除には、給与所得控除や配偶者控除、医療費控除などがあります。
税率とは、課税所得金額に応じて決まる税金の割合のことです。税率は、超過累進課税制度という仕組みで設定されています。超過累進課税制度とは、課税所得金額が一定額を超えた場合、超えた金額に対してのみ高い税率をかける仕組みです。税率は、5%から45%までの7段階に分かれています。
税額控除とは、課税所得金額に税率を乗じて算出した所得税額から、一定の金額を控除することです。税額控除の目的は、納税者の個人的な事情や社会的な要因を考慮して、税負担を軽減するためです。税額控除には、配当控除や外国税額控除、住宅借入金等特別控除などがあります。
以上が、税額の計算と税額控除の基本的な説明です。
06所得税の申告と納付
所得税の申告と納付とは、所得税の納税者が自分の所得や税額を計算し、税務署に申告書を提出し、税金を納めることです。所得税の申告と納付は、基本的には毎年2月16日から3月15日までの間に行わなければなりません。
所得税の申告と納付の方法は、以下のようなものがあります。
e-Tax(国税電子申告・納税システム):
インターネットを利用して申告書を作成し、送信し、納税することができます。
振替納税:
指定した預貯金口座から税金を自動的に引き落として納税することができます。
クレジットカード納付:
クレジットカードを利用して納税することができます。
コンビニ納付:
QRコードを利用してコンビニエンスストアで納税することができます。
スマホアプリ納付:
スマホアプリを利用して納税することができます。
金融機関や税務署の窓口:
現金や振込みで納税することができます。
以上が、所得税の申告と納付の基本的な説明です。
07個人住民税、個人事業税
個人住民税とは、その年の1月1日の時点でその市町村に住所がある個人に課税される地方税です。個人住民税は「都道府県民税」と「市区町村民税」の合計額です。個人住民税の税額は「均等割」と「所得割」の2つで決まります。
均等割は、所得の大小に関係なく一定額を課税される部分です。一般的には、都道府県民税が1,500円、市区町村民税が3,500円ですが、自治体によって異なります。
所得割は、前年の所得に対して税率をかけて課税される部分です。税率は一律10%で、内訳は都道府県民税が4%、市区町村民税が6%です。
個人住民税の納付方法は、普通徴収と特別徴収があります。
普通徴収は、個人事業主などの場合に適用される方法で、毎年6月ごろに市町村から納税通知書が送られてきます。納税通知書に記載された期日までに、金融機関やコンビニなどで納付します。納付回数は一括納付または年4回の分割納付があります。
特別徴収は、会社員などの場合に適用される方法で、給与から天引きされて会社を通じて納付されます。納付回数は月1回です。
個人事業税とは、事業所得や不動産所得がある個人に課税される地方税です。個人事業税は都道府県に納付します。個人事業税の税額は、事業所得や不動産所得から事業主控除を引いた金額に税率をかけて計算します。
事業主控除は、一律290万円です。事業所得や不動産所得が290万円以下の場合は、個人事業税は課税されません。
税率は、事業所得や不動産所得の金額によって3%から5%の範囲で変動します。
個人事業税の納付方法は、年2回の分割納付です。4納付期限は、8月31日と11月30日です。納付方法は、金融機関やコンビニなどで行います。
以上が、個人住民税と個人事業税の基本的な説明です。
※FP3級試験問題と解答
はい、タックスプランニングの内容に関するFP3級試験の練習問題と解答を作成してみました。😊
以下の問題を読んで、選択肢の中から正しいものを一つ選んでください。
問題1. 2023年に退職したAさんは、退職金として1,000万円を受け取りました。Aさんの退職所得控除額は次のうちどれでしょうか。
1.400万円
2.500万円
3.600万円
4.700万円
解答1. 3. 600万円
解説1. 退職所得控除額は、退職金の1/2に40万円を加えた金額です。したがって、Aさんの退職所得控除額は、(1,000万円÷2)+40万円=600万円となります。
問題2. Bさんは、2023年に自宅の建物を売却しました。建物の取得費は1,200万円で、減価償却累計額は400万円でした。建物の売却代金は1,500万円で、売却にかかった費用は100万円でした。Bさんの不動産所得の収入金額は次のうちどれでしょうか。
1.200万円
2.300万円
3.400万円
4.500万円
解答2. 2. 300万円
解説2. 不動産所得の収入金額は、売却代金から取得費と売却費用を引いた金額です。ただし、取得費は減価償却累計額を差し引いた金額とします。したがって、Bさんの不動産所得の収入金額は、1,500万円-(1,200万円-400万円)-100万円=300万円となります。
問題3. Cさんは、2023年に個人事業主として開業しました。Cさんの事業所得の収入金額は2,000万円で、必要経費は1,500万円でした。Cさんの事業所得の所得金額は次のうちどれでしょうか。
1.200万円
2.290万円
3.500万円
4.790万円
解答3. 3. 500万円
解説3. 事業所得の所得金額は、収入金額から必要経費を引いた金額です。したがって、Cさんの事業所得の所得金額は、2,000万円-1,500万円=500万円となります。
これらの内容がFP3級試験に役立つことを願っています!
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