ドクスピ感想

たとえば私がこれから忍ミュを語る時、ドクタケの話をしないという選択があるだろうかと思うくらい、ミュージカル忍たま乱太郎というコンテンツに欠かせない存在になっている『ドクタケ忍者隊』。

わたしは1弾再演から忍ミュを見ていて。勿論最初は忍たま、とりわけ6年生を観たかった。でもいつからか、というか割と初期の頃から「ドクタケってめっちゃ楽しい」って思ってたな〜!と、このドクスピの情報解禁をされた時に思いました。

というのもドクタケって、確かに忍術学園の敵ではあるんだけどなんだかめちゃめちゃに憎めなくて、そしてちょっと可愛くて、でも殺陣は日本一うまくて!かっこよくて。
つまり3弾から歌われている、「忍者はガッツ」の2番の歌詞の、『こんな時代に生きてはいるがひとりひとりはいいやつなのさ』をいちばん体現している存在なんですよね。(わたしはこの歌詞めっちゃ室町時代っぽくて好きなんだけど。)

そんなドクタケ忍者隊をメインにした「ミュージカル忍たま乱太郎外伝 『悪徳忍者ドクタケ』つらいよ。中間管理職の弾」があまりにも良く作られていて、本当に外伝という存在で良いのか!?メインでは!?と思いながら、この感想を書いています。できるだけ多くの人の目に触れて、こんな素敵な公演があったのか!5日間だけってもったいなっかったね!またやってほしいね!って、想って貰えますように。

⑴ストーリーについて
まず、「10弾と11弾の本筋のサイドストーリーというところにスポットを当てたのが、面白いな〜〜!!!!」と思った。
多分完全新作ストーリーでも面白いと思うだろうし今後完全新作でやるわよって言われたら全力で楽しみだけど、本編のサイドストーリーをあえてやることで、「本編の見方によってはドクタケも主役!」って言うことが際立つなと。

あと11弾みてちょっと不思議だなと思ってたところがあって。
ひとつめは「化け物の術でネズミに変装したところ」で、せっかくお守りとか装備して1度出てきたのに(荒れ屋敷のうたのとき)、わざわざ着替えてからネズミになったところ、(最初からネズミでよかったのでは?)と思ってたし、「らんきりしんが荒れ屋敷の地図をめっちゃ詳細にかけたところ」では、(まあ乱太郎は絵上手だしな〜)とは思いつつ、そんな伏線なかった上にその後役立つわけでもなかったなと。(あと今思い返してみたら「黄色い財布買っちゃった」もよくわからんかったよね)
つまりは、このドクスピがあっての11弾完成形なんだけど。私がこの前まで認識してた物語って、広い忍ミュの世界のほんの一部なんだな〜と思って、11弾の解像度が上がったね。
それこそ視点を変えたら、五年生の他の4人は実習に行っていた話がある。三年生が食堂でおばちゃんのお手伝いしてた話がある。だってここは忍たま乱太郎の世界だから…。
そして錫杖のときから思ってたけど、舞台の上に無駄なものなんて、ひとつもないんだな〜と!!!全部に意味がある!!!すごいね!!

⑵ キャプテン〈めっちゃいい上司〉達魔鬼さま
めっちゃいい上司〜〜〜〜〜!!!
前々からキャプテンが上司ならいいなと思っていたけど、この話を見たら優しい上に仕事もできるんだね!?ってなったからやっぱり上司に欲しい…。
なにより漆くんを呼ぶ時の声の優しさが良かったよね「なな。」って…もはやあの時点でナナくんはナナくんって名前だったよ…(?)
しぶ鬼のシーンあれはずるいだろってくらいめちゃくちゃ面白かったけど、忍者として活躍する傍ら、守るべき家庭があって。そして守らないといけない子供たちの未来がある。それが達魔鬼さまのポリシーで、「悪には悪のルールがある お前の悪は正しく無い悪だ」ってセリフに繋がるんだよなぁ。
10弾の「愛しき者よ」のドクタケのパート「悪は世の為人の為 悪無くしては善成り立たず」って歌詞があるけど、自分たちが悪いことをしている自覚のある悪役って、かっこいいよね。
そして「1日1回悪いこと!」って言うのも悪役としての意識が高いのよ…。てか今気づいたけど、10弾初演では八宝斉様と一緒にベニテングダケ取りに行ってた達魔鬼さまが、再演では部下たちとの板挟みになった話に変わったのって、このドクスピの伏線か…すげ…。

⑶ 雪鬼チャン
たぶん、6弾から見てる人にとって雪鬼チャンって幼女なんだし。学園祭しか知らない人にとっては一曲も歌わないけどわりとちょこちょこ顔出す愉快なお兄さんって感じだったのに、あんなストーリーにされたらもうびっくりしちゃうじゃないですか…?
私も初見は「これは雪鬼なのか?」「あのドクタケたのし〜!!!ってはしゃいでた雪鬼は、キャラじゃなくて中の人だったのか?」と1ミリだけ思ったけど、よく考えたらあの雪鬼チャンの行動は、『ドクタケが好き過ぎて、ドクタケの為に行き過ぎたことをした』んだと思ったらしっくりきたんだよね。
達魔鬼さまの夢が「平和な世がみてみたい」そのために天下統一のお手伝いをしている、だから、ドクタケが好きで、ドクタケ役に立ちたいと思っている雪鬼とは、見ている先がちょっとズレてたんだよね。
幻術使いとして1度任務をやってみて、彼も色々思うところがあったのかな(個人的には8弾のマルナナの活躍も耳にして焦ってたとかなんとかそんな話しがほしいところ)やる気があり過ぎてから回っちゃうことってあるよね。
でもエクスタシーの曲の時とか、よく見てたらちょっと踊っちゃったりしてるから、ほんとはみんなでわいわいしてたい。最後にわーいって鍋食べに行った雪鬼がほんとの雪鬼。それは私達の知ってる雪鬼チャンなんだよね。きっと無理してたんだな〜と思った…!頑張ったね…!
あとあの衣装の下にドクタケ忍者隊の装束着てるのマジでずるい…ウワッこの人忍者だった!!!って思った(今更)
これからも定期的に顔出してもらって、団子とかエビとか食べて帰って欲しいですね。

⑷ ドクタケ漆(海鬼)
八宝斉さまの名前の付け方天才すぎて鼻水出たもんな…。(汚いねごめん)漆くんのででた7弾はメインが水軍でほぼ、海辺でのおはなし。そして、役者さんのお名前が「北村海」って、名前決める会議(あったかは知らんが)で「海鬼」って案出ちゃったらほかの案検討する余地ないよなと思った。
漆くん…先輩たちを応援するのめちゃめちゃ可愛かったな…、、、11弾の乱闘で代わる代わるドクタケ陣営に休みにくるのめちゃくちゃ良かった…レモンの砂糖漬けって…、乱闘はスポーツじゃない……でも、そこがとても忍たまっぽい…好き…。
例えば8弾とかだと5年生の見せ場がちゃんとあったわけだけど、裏側で「え、久々知?ねえ!誰行く?」「待って!五年生普通に強くね?無理じゃね?」とか言ってたらとても可愛いのでこんなのやるなら全公演やってほしかった。わたしはすぐ5年生の話をする。
そして名前もついたことだし、達魔鬼さまが自陣に加えたいって進言してたわけだし、12弾で海鬼と雪鬼戻ってきてくれないかな〜と、思うだけ思っときますね〜。
最後のドク輪で海鬼と雪鬼歌うの良かったな…このストーリーの重要人物だもんね。
そう、エンディングが「ドクタケの輪」って天才かと思ったわよ。マルナナさんの曲なんじゃなくて、これはもうドクタケの曲だよねドクタケ城の社歌だよ。

⑸おわりに
10年以上同じ舞台に立ち続けた人たちの舞台、本当に贔屓目無しで、マジで、真剣に面白かった。役者さん達が忍たまの世界観、そしてこの世界観に欠かせないキャラクターを愛していて、スタッフさん達も愛していて、そして私達観客も愛していて、愛しかない公演だった。
今までのキャストさん達が公演覗きにくるのも、やっぱりいい意味でこのカンパニーは学び舎なんだよね。何弾まで続くんだろう、楽しみだな。
またスピンオフ作品お待ちしております。欲を言えばGロッソでドクスピ再演がみたいな〜!

ドクタケありがと〜〜〜〜!!!

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