【本48】働くことのパーパス

最近は図書館に行くこともなくなっていました。

子供と美術館に行った帰りに久しぶりに図書館に寄って、その時に借りた本です。

パーパス。
存在目的、人生の目的。

☆本の内容☆

個人のパーパスを考えていくうえで大事なのは、パーパスを、絶対的な人生の目標や、天職という「変わらないもの」として捉えないことだ。
自分のパーパスは、BEING(=自分の強みや価値観などのバリュー)と、TO BE(=社会において実現したい願いであるビジョン)をつなぐ光の道のようなものだと思う。

「存在目的」とか「人生の目的」というと、何か崇高な、不変的なもののように感じます。
でも、本書の言葉を借りれば「自分の価値観が変わることで、パーパスの方向性も変わるし、社会の状況が変化すれば向かうべき方向も変わる。」というように、アップデートしていけば良いんだなと思います。

企業と個人のパーパスをどのようにつないでいったらよいのだろうか。
そのキーワードとなるのが、ナラティブだと思う。
ナラティブとは、個人の主観による語りのことだ。
(中略)企業は、ビジョンという大きな筋書きを持った物語を語ることで、社員はその物語に自分を投影し、触発され、そして新たな物語を生み出す。
それを、相互に語り合うことで、新たな意味が生まれ、価値が創出される行動が生まれていく。

企業と個人のパーパスをつなぐこと。
これが難しい。。
本書の中では「年表ワーク」というワークが紹介されています。
すごく興味がありますが、社員数が多い場合はどうやってやったら良いのかな。
グループで分かれるのかな。
ぜひやってみたいワークでした!

仕事を楽しんでいない人が多いというのが事実だとしても、仕事は間違いなく、たくさんの有意義な経験を働く人に与えてくれる。
(中略)仕事は、それ自体の価値を超える経験を人にもたらす社会的活動なのである。

1日の中でも、人生の中でも、一番の割合を占める仕事時間。
その時間をいかに楽しんで自分のものにするか。
そういったことを考えていました。
「仕事は、それ自体の価値を超える経験を人にもたらす社会的活動」という言葉にハッとしました。

パーパスはつくるものであり、見つけるものではない。
(中略)仕事の何に意味や意義があるかを真剣に考え、その意味が高められ、注目されるような方法で実行に移すことで、パーパスが生まれる。

自分たちの仕事の「何に」意味や意義があるかを真剣に考えること。
そうやってパーパスをつくり出す。

◎正しく意思決定するための自己点検「3つのポイント」
一日の仕事を終えたとき、自分が次の3つのうちのどれを重視して働いていたかを振り返り、その割合を書き出す。
①ジョブ・マインドセット
「仕事」を意識して働いているジョブ・マインドセットの人は、給料の事を考えて仕事をする。支払われるお金に見合った仕事をするだけで、それ以上深いことは考えない。
②キャリア・マインドセット
「キャリア」を意識して働いているキャリア・マインドセットの人は、年収向上、肩書、権限、担当範囲の拡大、あるいは漠然とした支配力の強化を意識しながら仕事をする。
③パーパス・マインドセット
パーパスや目的を意識して働いているパーパス・マインドセットの人は、熱心で、現状を変えようとし、少々の犠牲はいとわない。意識は組織の外にも向けられ、より幅広いステークホルダーを視野に入れて仕事に取り組む。職業における目的意識と人生における目的意識が同じ方向を向いている。

「四六時中パーパス・マインドセットで生きることはできない」と本書にも書かれていますが、意識することの大切さが書いてあります。
「給料やキャリアにとらわれすぎるといじめや利己主義、他人を操作するといった、よからぬ行動へと繋がる可能性がある。」
確かにその通りだなと思います。

自分の言葉で、自分のパーパスを書き出すことを、ぜひおすすめしたい。
(中略)これは、日々何を目指し、どう生きていくかについて、自分のために書くシンプルな宣言である。
簡潔に、具体的に、専門用語を避け、思いのたけを表現しよう。
自分という人間を反映し、自分の強みと興味と大志が重なるような宣言を考えるのだ。
(中略)パーパスの宣言は、自分個人、業務上の役割、組織の3つを考慮に入れたものにすることが重要だ。個人的なパーパスを落としてはいけない。
(中略)人生は短く貴重だ。あなたは、自分の仕事や組織を使って、人生を輝かせる価値と資格がある。それを会社や上司、同僚任せにしてはいけない。
自らのパーパスを定義し、実行するのは、他の誰でもない、あなた自身なのだ。

今まで自分のパーパスを考えたことがあったかな?
シンプルに、でも具体的に、自分がどうしていきたいのかを宣言してみよう。
早速自分自身と向き合ってみよう!
(本書の中には、色々なパーパスの実例が載っています。とてもユニークで面白い!)

パーパスとは仕事の内容ではなく、どのように、なぜその仕事をするのかーつまり職務に関わらず、仕事に活かせるあなたの強みと情熱を指すものだ。
状況によって表現方法は変わるかもしれないが、あなたの定めるパーパスは、身近な人たちが最もあなたらしいと感じること、そしてあなたがいなくなった時に最も寂しく思うことである。

この、「パーパスをつくっていく」作業は段階を追って紹介されています。
私もこの手順で自分のパーパスをつくってみようと思います!

従業員が仕事にやりがいを感じ、満足を覚えるために本当に必要なのは、お題目ではなく内なる目的意識だ。
社員は自分のキャリア設計や人生の志、つまり自分にとって意味のあることをサポートしてくれる会社に忠誠心を抱く。

「お題目ではなく内なる目的意識」。
本当にそのとおりだと思います。
良いことを言っている「お題目」でも、実際にそれが行動の基盤となっていなくて、誰の心にも響いていないなら、ただの言葉の集まりでしかないということです。

今日、ますます多くの従業員が、仕事の対価として、給料以上のものを求めるようになっている。
お金を払えば、とりあえず人を集めることはできるが、長く働き続けてもらえるか、一生懸命働いてもらえるかどうかは、目的、意味、そして仕事の面白さと価値によって決まる。
(中略)有意義な仕事をしていると感じている人は、健康、幸福感、チームワーク、エンゲージメントが高いことが、研究によって明らかになっている。
挫折しても立ち直りが早く、失敗してもそれを学びの機会ととらえる前向きな傾向が強いことも判明している。
言い換えれば、意味のある仕事をしている人は前進し、成長する可能性が高いということだ。

この本の最後に「トムスはWHYを信じる」という章があります。
トムスというのは会社名で、その創業者である「私」が自分自身とトムスのWHY(なぜ)について見つめ直すという話です。
その中で「やがて自分でもハッとする結論に達した。自分を見失ったような気がするのは、トムスが目的よりプロセスを重視するようになったからだ、と。 「WHAT」(何)を「HOW」(どのように)してスケールアップするかに集中するあまり、何よりも重要なミッションを見失っていたのだ。」という部分が出てきます。
急成長を続けたいがあまり、ミッションである「WHY」(なぜ)からどんどん乖離し、他のメーカーと同じように「WHAT」と「HOW」で競争するようになった。

これってすごくよくある例だと思います。
何か違和感を感じたら、うまくいっていないと感じたら、気持ちが冷めていると感じたら、根っこにある「WHY」に立ち返らなければならない。
会社だけではなく、個人も。


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