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丸亀製麺のカレーうどん

 かつて私はカレーうどんについて考察を重ねた記事をここに投稿していた、と記憶する(萩原朔太郎のアフォリズムのように、間違う時は間違う、そして言い当てる時には明晰に言い当てるという、刃物のような記事であった可能性が、もしかしたら、ないとは言い切れない)。結論からいって要するに、フジッコのレトルトのカレーうどんが私のお気に入りに追加、というハッピーエンドのお話だったが、それはそれ、以来カレーうどんを食する機会をば私はたんたんと、狙いすましていた。FPSでスナイパーライフル片手に芋り続ける、しいたげられたランク帯の猛者のように。そういうわけで、丸亀製麺のカレーうどんを食する機会を私は今般、もった。さて、先の記事中において、私が鋭く論難の対象としたのは「普通のかけうどんにレトルトのカレーをかけたもの」である。ポンカレーをそのままかけている店屋もあったほどだ。それはそれでいいのだが、カレーうどんとはめんつゆにカレーを混ぜ、片栗でとろみをつけたものをカレーうどんとするのであって、丸亀製麺ではそれがどうであったかというに、これはなんと、しっかりとカレーうどんをしているではないか。たしかに、フジッコのレトルトカレーうどんの素に比して具材が少なく、とくに油揚げがやたらと多いところが、私のさもしい少年時代における母の作りたる貧乏カレー即ち肉なしカレーに酷似しており、丸亀製麺は私を傷つけた。「真面目に作ってんじゃねえよ」、「こうじゃねえんだよ、丸亀製麺に求めているのはカレーうどんもどきであって、カレーうどんじゃ、ねえ!」と正当なる指弾をもって、私はかかるうどん屋をあとにした。

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盛り付けがカレーとうどんにわかたれていたのは偶然か、創意か。天かすとか薬味類が無料だからカレーうどんは丸亀製麺でははじめて、たのむ。


静かに本を読みたいとおもっており、家にネット環境はありません。が、このnoteについては今後も更新していく予定です。どうぞ宜しくお願いいたします。