初恋VS赤いたぬちゃん その6

「その5」の続きですが、「その4」から読んでも

辻褄合うようにできています。

では、どーぞ。


赤いたぬちゃん、あれだけ決意したのに

いざとなるとやはり、ビビる。

注)だんだんイライラしてきましたね。あの時の赤いたぬちゃんに。

いつものように手紙を隠し持ちバス停に行くとやはりキノコは居る。

チャンス!行け!

たぬ「モジモジ、モジモジ」

またやってるよ。。。。

結局渡せないまま、同じバスに乗ることに。

キノコの二列後ろの左の席に座る。

たぬ「何やってんだ!おい!ヘタレの最たるもんかテメェは!」

俺「いや、まだチャンスがないわけじゃない!」


この日の赤いたぬちゃんはいつもと違った。

バスの中は北高の制服を着たやつでいっぱいだ。

キノコの西高の制服を着たやつもいっぱいだ。

結局、男がいくつになっても、目がいってしまうのはおっぱいだ。

だが、そんなバスの中、ガバッ!

いきなり赤いたぬちゃん席を立つ。

走っているバスの中を赤いたぬちゃんは歩き、

斜め前のキノコの席に近づく。

そして…

キノコの肩に手を寄せて、

トントン。

キノコがゆっくり振り向く。

ひゃべ~きゃわいい~

リアルエンジェルだ~

ちょっとだけ肩に触れちゃったぁ~~~

今日、いや今年は、手を洗うのはやめよう。

たぬ「あの…これ読んで欲しいんですけど…」

注)多分、そんなこと言ったと思います。でも全く覚えてないです。

変な事は沢山覚えているのに、

大事なところは何故か忘れる赤いたぬちゃん。

可愛いですね。

キノコはまるで

鳩がマシンガンで乱射されたような目で

赤いたぬちゃんを見る。


キノコ「私もずっと好きでした」


なんて言うはずもなく「え?はぁ」的な感じで受け取る。

たぬ「突然すみませんでした!」

その瞬間、ダッシュ!

狭いバスの中、とにかくその場から遠ざかろうと

ダッシュ!

そして、降りないのに降りるボタン見えないように連射!

たぬ「ゴウラァ!おっさん!死にたくなかったら今すぐ降ろせやぁ!」

まるで運ちゃんに伝わったかのようにバスはすぐに停まる。

赤いたぬちゃん、外にダッシュ!

逃げるようにダッシュ!!

とにかくダッシュ!!!

走りながら、赤いたぬちゃん、ニヤニヤしていた。


とにかく、嬉しかった。


結局予定よりえらく時間はかかったけど

赤いチキンは頑張った。

何度もガッツポーズをした。

正門に行くと井出さんが「よくやった!」って顔をしながら

待っていたので

無視した。

知り合いではなかった。


それからというもの、2秒ごとに携帯チェック。

手紙に電話番号とメールアドレス載せてたので。

注)当時はLINEなんてものはありませんでした。

担任や教師の言うことなんて全く耳に入らず、

親友の尾茂くんの会話も

全く耳に入らずとにかく、携帯チェック。

授業中も、

「もしかしたらこの携帯、一瞬だけ圏外になる病気かもしれない」

と訳のわからない解説をしながら

1分おきにセンターへ問い合わせた。

注)昔は何故かよくメールが受け取れない事があって、センターに問い合わせるとメールが止まってた場合は受け取ることができました。


あまりにもセンターに問い合わせばっかするもんだから、

しまいにはセンターサイドから怒られた。

センターのおばちゃん「あんたさっきから何回来んのよ!

何度来てもメール届いてないわよ!」

たぬ「いや、でも何かの不具合で止まってるかなぁって…」

センターのババア「バカじゃないの!私だってね、

この業界長いんだから!そんなミスしないわよ。

そんなことでイチイチ起こされる、私の身にもなってちょうだいよ!

ったくこれだから若い子は。

私が若い時なんてねぇ、こんなべんりなもの…」

センターのおばちゃんは、しつこく訪ねる赤いたぬちゃんを怒ったが、

訪ねたら訪ねたで、良く喋るババアだった。

聞けば、女手一つで育てた息子が東京で就職し、今一人なんだとか。

久しぶりに誰かと話したよ、と笑いながら赤いたぬちゃんを説教した。

たぬ「もうそろそろ、行きます。あと、色々すみませんでした。

迷惑なんで、もう来ないっす」

すると一瞬、寂しそうな顔して

センターのおばちゃん「たまには来なさい。あんたみたいなの心配でほっとけないわよ。

まったく」

と、強がっていた。

赤いたぬちゃん、今でも葛藤の中、

センターのおばちゃんを訪ねること

何度もあります。

みなさんも経験あるのではないでしょうか?

恋をすると必ず、現れるセンターのおばちゃん。

厳しいですが、いい人ですので、

今度茶菓子でも持ってまた行こうと思います。

くる夏に向けて、段々と暑くなるのでみなさんも熱中症対策には十分気を付けてください。

赤いたぬちゃんも気を付けます。

では、また。


あっ、間違った。

普通の日記を書いてる感じになってしまった。

あのババアのせいで、だいぶ話がそれたうえに

ページ無くなってきましたね。

またクレームを受けそうですね。

2時間目は国語だった。

もうかれこれ、2時間ぐらい経過し、

さすがに疲れてきた赤いたぬちゃんの

携帯がバイブする!

来たっ!

ピキーン!

赤いたぬちゃんの第六感が働く。

キノコだ!間違いない!キノコだ!

赤いたぬちゃんシックスセンス、

略して赤いセンスは間違いなくキノコからだと確信していた。

凄い勢いで、先生に見られないように携帯の画面を開く!

ボタン連打連打!!!

受信箱を見る!

知らないメールアドレスからメールが…

そしてそこには



S○Xやり放題!完全無料!人妻限定!
まずは登録から!

ブチッ。

ぬあんじゃごりゃああああああああーーー!!!

赤いたぬちゃんの何かがキレた。

ヒョアコンゴリャピャビガビガチョンチョノキャッタペー!!!

テメェ、コノクソガギャッギャアウリィヨヒョイ

チャンペラドンガバジョイオイ!!!

注)赤いたぬちゃんは怒りで少しだけおかしくなっているだけで

何かよくないあれをやってるわけじゃありません。


赤いたぬちゃんは迷惑メールにもて遊ばれた。

ひどい。。。このタイミングはひどい。。。。。。

もう、ダメだ。

もう、種田。

もう、ダミアン。

今日はもう実家に帰らせていただこう。

家に帰って、温かいママのスープを飲もう。

授業なんか受けれない。

と、帰ろうとしたその瞬間、同じように携帯が震える。

はいはい、もう騙されねーよ。次は熟女か?

メールを開いたその時、赤いたぬちゃんはどんな顔をしていただろうか。

メールは業者ではなく、出会い系ではなく、

天使からだった。


つ・づ・く

もうすぐ終わりますので、もうちょっとのお付き合い

宜しくお願いします。

では、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?