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自由律俳句

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2019年11月の記事一覧

自由律俳句7

絶望より眠気が勝った

報われないキモチと眠る

急な瞳の雨に濡れる

捨ててから要ると気づく

おならで返事をされた夜

自由律俳句6

泣いてもいいように玉ねぎを刻む

この指は冗談も言うし愛も伝える

すぐ食べられてしまう紅をひく

「行けたら行く」と言っていた人が来た

たぶん死ぬまで青春ゾンビ

自由律俳句5

この線から向こうは海

魅力的な忘れ物とか

あれはむかし恋人と暮らした街

月をかすめる飛行機雲

夜空にも虹は掛かる

自由律俳句4

キムチと納豆さえ食べていれば大丈夫という助言

鼻歌の域を超えている

等間隔で老人が

店員と間違われ接客する

ダメージデニムの適齢期は過ぎた

自由律俳句3

茜色の空、カレーの匂い

コーラのゲップで感傷を放つ

拾った貝殻を持て余す夜

仕方ないので二話から見る

また会いたいから貸す

自由律俳句2

ひとくせある店員に釣りをもらう

同一人物だと思っていた

同じ所にばかりつく染み

梅昆布食べて口中の傷を知る

わざとつけたとしか思えない牛乳ひげ