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日記0421あるいは怪鳥

「あーーーー」

私がおにぎりをモサモサと食べていると怪鳥の鳴き声が隣室から響いた。人のものとは思えないため、便宜上、怪鳥と呼称したが、多分、隣人の奇声だろう。

「鳥でした!」

確認に遣わせた小野さんから連絡が届く。私の隣室には鳥が住んでいた。

「恩返し系のアレみたいですね、人間のフリをする鳥なんて」
「そうだね、まあ、ただ隠れて過ごしてるだけだから、昔話と違って私と接点はないわけだが……」
「隣人ってだけで十分な接点ですよ!」
「ないよ、田舎ならまだしも。都会に交流なんてない」

ピンポーンとチャイムが鳴る。扉を開けると隣人が「買いすぎたのでよかったら」と食物を分けてくれた。

「口止め料?」

私が尋ねると、隣人は「あーーー」と鳴いてから笑った。

「毒入りです、甘辛くて美味しいですよ」

隣人が去ったあと、すぐにゴミ袋へソレを突っ込み、共有のゴミ捨て場へ捨てた。引っ越そうと思う。


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