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日記0438あるいは欲寝多

めちゃめちゃ寝たなぁ、と思って目を覚ますと世界は滅んでいた。いや、私の目に映る範囲だけが壊滅的に、それこそ、瓦礫の山になっていたので、まあ、本当は滅んでないのかもしれないけれど。

「君が生き残ってる、その時点で滅んじゃいないさ」

男勝りな女が瓦礫の下から腕だけをのばし、揺らし、私に話しかける。

「挟まってるの?」
「潰されている、が正しい。助からないだろうね」
「世界は滅んだのか?」
「さあね、喋ると肺が痛いな」

女は二度咳き込むと静かになった。そのあと、何かが破裂したのか、瓦礫の隙間から血が溢れた。

どこへ行こうか?


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