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蛍に導かれて

ダリオ・アルジェント監督の『フェノミナ』には昆虫と意思疎通できる超能力を持つ主人公のジェニファーが蛍に導かれて昆虫学者の家にたどり着くというシーンがある。

ブライアン・デパルマの『キャリー』や『フューリー』とは違って、アルジェントの映画に出てくるキャラクターの持つ超能力は控えめに使われるだけだ。超能力で相手を直接攻撃したりはしない。そこでキャラクターを生かしきれていないなどという批評がなされる場合がある。

だが、いつも自分の強みを活用して生きている人間などいない。例えばピアニストがいつも音楽の才能を生かして生活しているわけではないし、小説家がいつも文才を生かして日常生活を送っているわけではない。

アルジェントの映画の超能力者たちは弱みをみせる。そこが自然体で好きだ。

蛍のいる森のイメージ(絵は筆者)

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