『インフェルノ』の３つの鍵

ダリオ・アルジェント監督の『インフェルノ』はニューヨークに住む魔女の物語だ。魔女の住む館がどこにあるかは謎だが、その謎を解くための３つの鍵が存在する。

ところでこの映画の前半の主人公ローズは、映画の最初のほうで自分の部屋の鍵を付けたキーホルダーを誤って深い水たまりに落としてしまう。そのあとでちょっとしたショック描写が控えているのだが、今回はその話ではない。

ローズの落としたキーホルダーには3本の鍵が付けられている。ちょうど魔女の館の謎を解くためのキーと同じ数である。

ローズの机の上に置かれたキーホルダーのイメージ。蛇のデザインが印象的だ。（絵は筆者）

ダリオ・アルジェントの映画、特に『インフェルノ』は、色々な人々から嘲笑気味にストーリーが支離滅裂であるとよく言われている。

だが、館の謎を解くための３つの鍵。そしてローズが落とした３つの鍵。注意深く見ないと気が付かない細部でアルジェントの映画のそれぞれのシーンは有機的に呼応しあっている。