1月13日 夕暮れの電車に乗っておでかけ
こんな時間におでかけの為に電車に乗るのは初めてだ。車窓からの景色にときめいている。
赤いライトが横に流れて斜線となり、遠くに暮れる夕空が映える。それが度々建物に遮られるので街中を走ってるんだなぁと実感する。
時々イルミネーションがされた広場や車のライトが眩しい大通りも抜ける。
決められた道をびゅんびゅん走り抜ける電車に感動と同時に、なぜか泣きたいような気持ちにもなった。
地元のフェリーから見える景色は、いつも一枚絵のように雄大で鷹揚だった。海の広さと空のグラデーションを見つめ続けられる大きな船窓からの景色も好きだったけれど、電車も悪くはない。
メトロは少し暗い。夜になったからかな。
向かいの窓が曇っていて、映り込む私がぼやぼやと人の形を揺らめかせている。あれは誰だろう。
放尿は犯罪だよってエレベーターに貼り紙してある凄い。そんなことあるんだ…。って思ってたら行きも帰りももれなく挟まれた。
当日39度の熱にうかされていた私のお誕生日は少し遅れた今日13日にお祝いしてもらえた。
美味しい食事とピアノの生演奏。リクエストでアラジンと美女と野獣を弾いてもらい、happy birthdayの書かれたプレートにチョコレートケーキ。
外に出ればもう21時も回るというのに今から花火でも上がるのかと思う程の人だかりだった。
お祭りでもなんでもない土曜の夜。
街や人のみなぎる生命力のようなものを感じた。活気のある街の路上ライブではテレサテンがしっぽり歌われていた。上手だったなぁ。
外国の人向けのドラッグストアの波波波。
やっぱり日本人は少なそうなUNIQLOに入って、ウルトラライトダウンを買ってもらった。
ぐんぴぃさんの代名詞だ。
私なんぞがダウンを着た日にはミシュランマンのようになってしまうじゃないかと一生買うつもりはなかったのに、推しの服は気持ちを変える。
何もかも完璧な夜だった。
いつものように寝る前の読書をしようと本を手に取ったが、開くのをやめた。
今は、誰の言葉も入れたくはない。
私のこの泣いてしまいそうに嬉しい夜を誰かの言葉で上書きしたくはない。
私の夜を、まだ終わらせたくはないけれど、また素敵な明日が待っているので、明日の私のために、私は今日の私の息の根を止める。
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