これからの歯科保健推進への展望 Vol.03

Ep1 はいかがでしたか?私が子育てをとおして気付いた生活者としての視点が今の専門職に求められる役割を考えるきっかけとなったエピソードでしたが、「私は子育てしたことがないから… 」と子育て中の養育者に対する指導に壁を感じている専門職の方に出会うことがよくあります。私はそのような専門職の方に、いつもある歯科衛生士さんの話をします。エピソード1 を読んで“ 子育てした赤井さんだから”と感じた方への応援歌になればと思い、今回の前座として紹介させていただきます。
臨床で勤務している歯科衛生士のM さんとは、ここ数年、栄養士さんが主催する地域の子育て中の保護者を対象とした食育講座を担当しています。彼女と講座内容を企画していた時に「私は子育てしたことがないから今どきの課題がよく分からないので」と、子育て中の友だちに「子どものお口や食事で困っていることってどんなこと? 」 とE メールで情報を集め、その訴えや困り事から自分が話すべき内容を練った企画案を出してきてくれました。それを見て、なかなか良いことに気が付いてくれたなと感心していたのですが、講座を終えて感想を聞くと、開口一番「子どもがいないので、やっぱり赤井さんみたいには… 」とつぶやいたのです。私は、彼女が講座の対象者についての多くの情報を収集し、専門職として客観的にニーズを見出して予防的に伝えるという素晴らしい姿勢でこの企画に望んでくれたことが本当に嬉しかったということを伝えました。それから、もう一つ「保健指導する時に、対象者が経験する様々な状況のすべてを専門職が実際に経験し、それを基に指導をすることって逆に無いんと違うかな? 例えば、重度の歯周疾患や抜歯、そんな重症でなくても私は抜髄すらしてもらったことがないし、ましてや要介護高齢者、終末期の方の口腔ケアも同じ… 。経験したことがないから自信を持って指導できないっていう専門家いる? 現場で起こっている多くの症例やその生活背景、社会的背景等を総括、一般化し、特殊な例も含め学問体系に組み入れていきながら、専門職が常に国民に予防的に働きかけること。その途上にいつも私たちが活動しているという歴史の中に存在している」というような話をしました。当事者としての経験があってもそれだけで一般化はできないし、ましてや当事者に専門性があるわけではありません。それ以来、彼女は「子どもがいないから… 」とは口にしなくなりました。それどころか、今度は「綾美さんと一緒に講座をすると、最後にお母さんたちがやっぱり綾美さんに質問するんですよ~ 。悔しくって! ! 」と、今年も新たな素晴らしい媒体を作成してきてくれて「おぬし、なかなかやるな(・ω <)」と言わしめる嬉しい
専門家魂を魅せてくれています。ちなみに、それは口唇の媒体~ 名づけてリップちゃん❤ です。舌の媒体はよくありますが口唇は今までなかったですよね! これは離乳初期~ 中期に口唇を閉じるという動きだけでなく、離乳後期に口唇がねじれる動きが再現できるスグレモノなのです(^^)v しかもそれに合わせて、初期は前後、中期は上下、後期は左右と動きを発達させていく舌の動きと組み合わせることができ、完璧です(^^♪

口唇&舌の媒体〜リップちゃん❤

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さて、前座が長くなりましたが「これからの口腔保健推進への展望」について、今回は今や健康寿命の延伸に欠かせない口腔機能という切り口でお送りさせていただきます。


Ep2-1.「私って噛めてない? ! 」

Ep2 は、私が歯科衛生士養成学校1 年生の時に遡ります。おお! 写真は○ ○ 年の歴史! 歯科診療補助の実習で初めて作成した自分自身のいわゆるマル模です。あらぁ、⎿ 3 唇側転移、2⏇ 2 叢生、開咬、上下正中不一致、⎿ 2 部交叉咬合、と不正咬合のオンパレードで歯並びっていうか、上下顎が咬み合ってない? 実際に咬合採得が不能でした。それから、口腔生理学の実習で咀嚼能率を量るピーナッツの実習の時のこと。20 回噛んで吐き出してメッシュに残ったピーナッツが他の友だちのものに比べ大きくゴロゴロしているのを見て、「ええ~ ~ ! 私って噛めてない? ! そういえば… あの模型の歯並びでは噛めないか… 」と、それまで食べることで不自由を感じたことがなかったこともあり、自身の状況を初めて冷静に実感& 認識したのです。
そこで、自分の食べ方を観察してみると、見事に丸呑みしていたことが分かりました。そしてそれ以来、「矯正したい! 」と思うようになり、就職してお金を貯めてから矯正を始めました。頑張って痛い治療に耐えたかいもあり何とか歯列は並びましたが、治療開始から3 年を経過しても咬合状況は良くならず、歯槽骨の吸収などもあって途中で断念してしまいました。「咬む」と「噛む」が違うことを文字どおり体感し、それから自分なりに口腔の機能について勉強していくと、幼少の頃のおしゃぶりの影響で開咬や舌癖がついてしまったのかもと推測いたしました。
その後いろいろあり、歯科衛生士になって5 年後には仕事が臨床から教育現場に変わりました。今度は人前で長い時間話すことが増えてきて、途中で息切れしたり滑舌が悪かったりと、自分の口腔機能の弱さを改めて認識し、様々な口腔機能トレーニングに取り組み始めました。更にそれから○ ○ 年経過し、別のきっかけもあって一昨年の年始から一念発起してジョギングを始め、正常な口腔機能の最終目標としていた口呼吸の克服にチャレンジしています。最近は軽いジョギングなら30 分は鼻呼吸で平気になってきました。

若かりし日の歯列模型・・・どうやって食べてたんでしょう?

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2019年株式会社Office RENKA設立 代表取締役 赤井綾美です。https://office-renka.com/ お口の姿勢は体の健康に欠かせない呼吸と連動しています。みなさまのお口の健康と美容にコミット♡口角挙げれば世界が上がる♡