劇場アニメを作る「劇場版『SHIROBAKO』」

劇場版『SHIROBAKO』を今更ながら見まして、これはすごい!と思いましたが、ネットの評判があんまりでしたので、記事を作ろうと思いいたりました。

劇場版『SHIROBAKO』のここがすごい!!

  1. 劇場表現

  2. 物語同士のリンク

  3. TVアニメから一歩進んだところにある伝えたいこと

1.劇場表現

僕は、SHIROBAKOの特徴といえば、きっちり作ることなんじゃないかなと思っています。
これは、アニメ制作をアニメで表現する以上、セオリー通りに、アニメとはこう作るんだという教科書的な作品としても残したかったのではないかという制作側の思いがあったのではないかと予想しています。
それが、この劇場版にもはっきりと、劇場アニメの教科書を作りたいという意志として表れているように感じました。

冒頭
TVアニメ版では、ハッピーエンドに終わる。物語を再び始めるには、何らかの危機から始めなければならない、そして、それは宮森が入ったばかりのころを思わせる武蔵野アニメーションを彷彿とさせる

宮森のミュージカル
僕はラブライブ!のせいか、劇場と言ったらミュージカルだよな、と思っていたので、全然違和感はなく、むしろこれで劇場版の表現をやりたいんだ!と感動していました。

お祭り的な全員集合!
劇場版と言ったら、ご都合主義だろうが何だろうが、本編で活躍したキャラクターみんなの元気な姿を見たいですよね。
アニメ本編から成長してるキャラクターだったり、全然変わってなかったり、そんな姿を見られるだけ幸せな気持ちになります。

メイン格のキャラクターの掘り下げ
それぞれ、別々の悩みがあり、別々の方法で解決して、子供たちとアニメーションを作ることで、アニメを作りたいという原衝動を全員で思い出して制作へ向かう、実に美しい流れでした。

ラスト
どんどんドーナツどーんと行こう!を言ったり、
EDの間にその後の話を描いて、ED後にちょっとだけ続きを書いたり、
これぞ劇場アニメ!

実に王道で、それを120分の短い間に詰め込んで面白くできるって、控えめに言って天才集団ではないでしょうか。

2.物語同士のリンク

宮森、宮井がげ~ぺ~う~に乗り込んでいく場面。このシーンはTVアニメの方の木下監督が野亀先生のもとに乗り込んでいくシーンと同じように、戯画化されています。
TVアニメ版のこのシーンは、さんざん”変な話”に付き合わされて、フラストレーションがたまっていたところ、突然の誇張表現とこれから起こることへの期待、そして、野亀先生との最高の形での和解とが合わさって、泣きながら爆笑していた大好きなシーンでした。
それに比べると、劇場版では、期待したほどの爽快感はなく、物足りなさを感じていました。
そんな気持ちを持て余しながら、作中作も完成し、これで終わりか…と思ったところで、宮森が満足していないと言って…
あっ、わざとか!!すげぇ!!!!!やべぇ!!!!!!!
なんとなく感じていた、作品と作中作のリンクを明確に認識して、一気にテンション上昇。
ダメ押しとばかりに、超かっこいい戦闘シーンがあり、ED曲の後で、
「届いたかな、私たちが伝えたいこと。」
届いたよ!!!多分だけど!
という感じに、最後まで感情の熱が冷めない素晴らしいエンディングでした。

3.TVアニメから一歩進んだところにある伝えたいこと

この作品の伝えたいことは、最良の結果を出すまで、最後まであきらめないことではないかと思います。
TVアニメでは、納期までに完成するところまでで終わっていましたが、劇場版では、完成してもまだもっと先を求めていた。
それが、一歩進んで、誇りをもって仕事をするということなんだろうなぁ。

今、社会人になってから思い返すと、平岡の態度に身につまされる思いです。どうでもいいと思っていることに、すべてをかけるようなことはできない。本気になるには自分を変えるか、職場を変えるかしないといけないのかなぁと。そんなことを思うくらいに、本当に素敵な物語です。

作中作、宮森たちの物語、最後のエピローグと、あきらめないことを訴えていて、メッセージが強く、心に刻み込まれたように思います。

さいご

たぶん僕が読み解けていない部分がかなりあると思いますが、本当に、伝えたいことをストレートに伝えてくれて、未来への元気をもらえました。明日からも頑張ります。

俺たちの戦いはここからだ!




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