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棚引く

大学3年のときに
一晩で落ちるように
初めて人を好きになって

恋というのは本当に
落とし穴に落ちるみたいで
アリスが穴に落ちて
不思議の国を旅したみたいに
世界の意味が
生きているということの意味が
変わるような
そんな経験だと思う

まあ醒めるけどね
いつか
でもいいの
大切なのは違うディメンションを
生きてみることだから

あの夜の前日の自分に

明日横浜駅交番前で大輔くんと
待ち合わせしてるけどね
アンタ東京生まれの東京育ちだから
知らないと思うけど
横浜駅前西口には交番が相鉄口と2つあってね
アンタら二人はすれ違ってね

2時間会えないから笑

だけどね会えるから
諦めて帰っちゃいけないよ
そんでね2時間遅れてスタートしたせいで
まあ時間の相対性理論説もあるけど
楽しかったんだろうね

それは物理専攻院卒の大輔くんに
説明してもらったほうがいいよね
赤毛は仏文だろ
メッキが剥がれてバカがバレるから

隣の芝生には入らないほうがいいよ
え?使い方間違ってる?芝生の?
文学部のくせに?笑

まあいいや

盛り上がって飲んでるうちに
ガチで終電乗り過ごしちゃうから笑

そっから落ちるから
ズッキューンって
急接近するから
横浜駅近くの飲み屋街で
二人で電車待ちながら
地べたに座って
白白と夜が明けるのを見るときに
運命の人だって絶対思うから

安心してね

パンツはあの日は何色をはいていたかなあ笑

って言っても
きっとなんのことやらワケワカメって
馬耳東風
聞く耳持たないだろうなあ苦笑

ということは逆に言えば
それまで人を好きになることができなくて
どこか人として欠けているんだろうなあと

B組の何々君がカッコいいとか
ジャニーズの大沢くんが好きだとか
若貴が好きだと中野に追っかけたり
そんなクラスメートを
何処か冷めた目で見ていたけど

何かが自分にストッパーをかけていて
心が自由に飛び出せなかったんだと思うし
なぜあのときにそれが外れたのかも
よくわからんけれど

そうなるように
そうセットされていたとしか
うん
飽和したのかな

表面張力の限界というか

語彙力ねえな
言いようがない笑

それからは
順調に恋の穴の落ち方を学習して
殆ど必勝(必負)パターンは
キューピットにズギュンと射抜かれて
冷静に見れば自作自演なんだけど
自分では他力で始まったと思うパターンで
恋が始まる

なんで好きなんだかなんてわからないし
何がいいとか
見た目とか年収とか身長とか
学歴とか趣味とか
そういうスペックには
なんの共通項も
必要十分条件にもない

ただ
そうなることが
いまはじまったんだと
そう思い始めるかどうかだけ
あとは自分自身がその流れに逆らわずに
頭で考えずに
出会ったことに意味ある偶然みたいのを
信じ続けられるかだけで

風が吹けば吹き流しが青空に棚引くように
ただただ吹かれていくだけ

あーあ
中二病
治んねえな笑




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