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小説【もしもって思う事ない?】

「もしもって思う事ない?」
 僕は少し離れてダンボールから食器を出す、晴香に言った。

「ん…、どういう意味で?」
 晴香は手を休める事はなかった。

「だから、もしも、あの時、あの瞬間、あの場所で自分はこうしていれば違った結果になったんじゃないかって、やつ…」

「あぁ、そういう事…。あるよ。あの頃、ちゃんと言っておけば良かったなって思う事。でも、何で?」

「いや俺さ、ふとした瞬間、何の関係もない時に、もしもあの時、こう行動していれば、こんな事を言っていればって思う事があってさ…。たぶん、色んな事を後悔してんのかな…と思ってさ」
 言った後、晴香は手を休め、こっちにやって来た。

「じゃ、私と結婚する事も後悔してるの?」
 と、少しふくれっ面の晴香。

「別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけど…」
「どーだか…?」
「お前な~」
 僕は晴香をくすぐった。

 - end -


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