小説【女の子×休息】
私はいつも駅前の駐輪場に自転車を停め、そこからバスに乗り換えて学校に通っていた。
毎日毎日同じコトの繰り返し…。
何故か、そんな自分が他人のように思えてしかたなかった。
いつものように駐輪場に自転車を停め、コンビニで弁当を買い、バスを待ち、そのまま吸い込まれるようにバスに乗れば良いのに、その時足は動いてくれなかった…。
バスは行ってしまい、残された私は、軽く空を見上げ、いつの間にか自転車に乗っていた。
そこでやっと私は気づいた。
あっ学校サボっちゃった…。
自転車で今まで通ったことのない道を走り続けた。
何処かへ行きたいと言う目的があった分けじゃない。
ただ、何となく走っていた。
数時間走り続け、行き着いた場所はほとんど人のいない堤防だった。
のどかで現実逃避するにはもってこいの場所だ。
自転車から下りると草むらに寝転んだ。
汚いと思うより先に行動していた。
太陽が眩しくて仕方ない。
こんなに晴れてたかな…。
軽く伸びをして、ケータイを開くと数件メールや着信が入っていた。
それが誰からか、それがどんな内容か見る事なく時計を一瞥し、閉じた。
11時過ぎか…。
朝、コンビニで買って来た弁当を食べることにした。
一人寂しく食べてるはずなのに、何故か気持ち良い気がした。
食べ終わり、再び草むらに寝転び眩しすぎる空を見つめながら、私はふと思った。
名前も、ケータイも、友達もいるけど、もしそれらが全部無くなったら、私はどうなるだろう。
寂しくて仕方なくなるだろうか…。と。
そんな事を考えながら、重くなって行くまぶたには勝てず眠ってしまっていた。
- end -
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