読みやすい解説記事を目指して
こんにちは。ばんちきです。
今回は、"解説記事"についてのお話です。
大解説記事時代が訪れている昨今のワンピースカードゲーム。
無料有料問わず自分でも色々読ませていただき、デッキ自体の解説だけでなく、「どんな雰囲気の記事を書く人が多いのか」というところまで含めて日々勉強しています。
プレイ自体の良し悪しは別として、プレイの選択肢が非常に多く、終盤は特に難解になりがちなゲームなので、ワンピースカードゲームにおける"解説記事"というのは作成難易度がかなり高いと考えています。
他のカードゲームでの経験値がある方でも苦戦している印象です。
私は主にデュエマの記事を書くことが多いのですが、知見を広げるために他の人が書いた記事もよく読みます。
これは情報の鮮度に関わらず、古いものも読み漁ります。
ゲーム自体への考え方や、記事の書き方,言い回しを参考にするためです。
その中で、記事を読み書きするにあたって意識していることがいくつかあるので、それを紹介していこうと思います。
『自分でも記事を書いてみたい』という方や、『記事が多すぎてどれを買えばいいのかわからない』という方の一助になれば幸いです。
記事の構成
自分自身やそのデッキが残した実績を紹介する「前書き」
そのデッキの特徴や強み,他のデッキとの差別点などを紹介する「デッキ解説」
採用カードや採用候補カードを紹介する「カード解説」
環境デッキに対する立ち回りやマリガンを紹介する「プレイ解説」
カードゲームの解説記事はおおむねこの4つ、必要であれば「後書き」を加えた5つの要素で構成されます。
これ自体はカードゲームの種類による差異はほとんどなく、基本の流れとして出来上がっているように思います。
これは『なんとなく』でテンプレート化されているわけではなく、当然相応の理由があります。
「デッキ解説」「カード解説」「プレイ解説」は後述しますので、「前書き」について掘り下げていきます。
前書き
解説する当該デッキで出した成績が記載されることが多いです。
普段やっているゲームとは別の界隈に向けて発信される場合、自身の活動歴や大会で残した結果などを自己紹介として取り上げる場合もあります。
基本的に、前書きはなるべく簡潔に済ませるのが望ましいとされています。
長すぎる前書きは少し鬱陶しく感じさせてしまう恐れがあり、読み手の読了意欲を削いでしまいます。
そのため、公開するすべての記事に自己紹介文のテンプレートを差し込むような手法は避けた方が賢明と言えます。
記事を読むことによって知りたい情報は「当該記事で解説されているデッキについて」であることが多いので、それに関連しない情報はなるべく短くまとめて、その記事の本質の部分を厚くした方が読者の満足度は高くなります。
なるべく簡潔にと書きましたが、短すぎるのも当然NGです。
その記事が全体的にどんな内容なのかが伝わらないと、他の解説記事より優先して読むべきかどうかの判断ができません。
前書きの段階で解説の流れを記述しておいたり、見出しや目次を丁寧に設定することで、記事の全体像を見せるようにすると理想的だと思います。
前書きはいわゆる「つかみ」の部分です。
記事の内容が素晴らしいものだとしても、前書きでコケると最後まで読んでもらえる確率が下がります。
しかし、ユーモラスな前書きを書くのはとても難しいことで、私自身も正直苦手な部分です。
そのため私は「当該デッキで出した結果やその過程」と「当該デッキの特徴」を短すぎない程度で簡潔に書いて、後は見出しと目次で伝えるという手法にしています。
この手法が正しいとは言い難いですが、逃げ道の一つとして参考までに。
解説部分
主に「デッキ解説」「カード解説」「プレイ解説」の3つから成る、解説記事の本質となる最も重要な部分です。
有料記事の場合は特にここにバリューが求められるため、個人的に力を入れるポイントです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デッキ解説
解説するデッキの特徴や長所,短所を記載します。
デッキを使いこなすためには、そのデッキの得手不得手を理解することが一番の近道です。
「デッキの狙いは何か」「デッキのどの部分が強く、どういう状況になれば勝ちやすいか」
これらを知ることで、全体的な立ち回りをスムーズに飲み込みやすくなります。
加えて、短所となる部分も記載しておくと、「避けるべき状況」を知ることができ、よりデッキの理解度が高まります。
「デッキ解説」を端折ってしまうと、基本の動かし方を理解しないままデッキを回すことになりかねないため、本来のデッキパワーを発揮できない恐れがあります。
私は普段から、『こういうデッキ』というものを明示するようにしています。
そうすることで、そのデッキへの取っつきやすさが大きく変わってくると思います。
カード解説
デッキに採用されているカードや、採用候補に挙げられるカードを記載します。
採用カード全てを1種類ずつ解説することもあれば、採用カードが持つ役割ごとに括ったり、重要なカードのみに絞って解説する場合もあります。
新しく出てきたデッキタイプの場合、各カードそれぞれの使い方が一般的に確立されていない状態なので、採用カード全て,もしくは役割ごとに括っての解説が適しています。
既に環境で活躍していて、ある程度立ち回りなどが確立されているデッキタイプの場合は、重要なカードのみの解説が適していると個人的には思います。
いわゆる『当たり前』というような部分が多すぎると、ただただ長く読みづらい記事になる恐れがあるためです。
カード解説では、そのカードの特徴や強さだけでなく、具体的な強い使い方やタイミングを添えておくのが理想的です。
例えば《ジュエリー・ボニー》であれば、「アタックを吸える」「終盤にブロッカーを拾う」といった解説だけでなく、「相手のキャラとリーダーによる攻撃可能回数と自分のレストになっている処理要求キャラの数が等しい状況で、盤面に追加して起動する」というような、最大に近いバリューを出せる例を挙げることで、「強く使えるタイミング」を理解しやすくなります。
【赤ゾロ】の《マキノ》や《ゴードン》が理想的な使い方をされないことがあるのは、具体的に言語化された解説を見つけられず、強いタイミングの理解が曖昧だからだと考えています。
恵まれた環境で対戦数をこなせるプレイヤーや、カードゲーム自体の実力が高いプレイヤーであれば、その「具体例」まで自分でたどり着くことができますが、その過程を『記事を読むこと』である程度スキップできるのであればそれに越したことはありません。
カード解説を詳しく書き込んでいる解説記事は、個人的には大好物です。
また、カード解説において、「カードに書かれているテキストをそのまま書き起こすだけ」ようなものは避けた方が良いです。
採用カード全てを解説している記事によく見られるパターンです。
これらはテキストを読めばわかることなので、悪く言えば文字数稼ぎ以外の意味を成しません。
そのカードの具体的な使い方であったり、効果を使うタイミングなどを添えるようにした方が良いでしょう。
プレイ解説
主に環境デッキに対する立ち回りを記載します。
環境は常に変わっていくものなので、場合によっては加筆修正が求められる場合もあります。
記事の冒頭でもお話ししましたが、ワンピースカードゲームはプレイの選択肢が非常に多く、終盤は特に難解になりがちです。
具体的にはドンを最大数使える5,6ターン目が境目で、それ以降は複雑すぎるため定跡化が難しくなります。
そのため、基本的には5ターン目を迎えるまでの序中盤の立ち回りや、ゲーム全体を通しての大局観を解説することになります。
終盤の立ち回りについては、実際に回して慣れていくしかないと思います。
読み手を突き放しているように思えるかもしれませんが、正直仕方のないことです。
相手のデッキに対する「ゲーム全体を通しての立ち回り」を理解することで、避けるべき分岐や形勢判断が分かりやすくなります。
『この対面はこういうゲームを目指す』という方針を記載しましょう。
ただし、あまりにもふわっとした解説では伝わりません。
以前購入した記事の解説に『対赤ゾロは盤面と手札を枯らせば勝ちです!』という旨の記載があった際、『うん…』となってしまった苦い思い出があります。
具体的にどのカードを使うのかであったり、どういう盤面を作るかなどを書き添えるのが理想的です。
ゲームの最初の分岐であるマリガンにも直結する部分なので、重要です。
価格設定
これはもちろん個人の自由です。買いたい人が買って、そうでない人は買わなければいいというだけです。
ただし、自己責任でもあります。
高い金額で半端な記事を連投してしまうと、読んでくれる人はどんどん離れていきます。
もしその後本当に良い記事ができたとしても、その人たちが戻ってきてくれる可能性は低いでしょう。
カードゲームの記事を書き慣れていない人は、まずは無料で記事を書いてみることを個人的にはオススメしておきます。
おわりに
いかがだったでしょうか。
解説記事は、書くことによって思考を共有,アウトプットできます。
その思考が合っているか間違っているかよりも、それによって他の人の意見や考え方に触れることができるのが大事で、間違いなく実力アップに繋がります。
人にものを教えるとき、教わっている人よりも教えている人の方がより理解が深まるというのは有名な話です。
記事を書くか悩んでいる方、とりあえず一本書いてみてはいかがでしょうか。
動画媒体による解説に立場を奪われつつある文字媒体での解説ですが、文字にしかない良さもあると個人的には思っています。
主に「見返しやすさ」に関する部分で、noteであれば見出しと目次を活用することによって読み返したいポイントにすぐに飛べるようにすることで、動画にはない手軽さが発揮できると考えます。
参考書に付箋を貼ってポイントを抑える感覚です。
その話はまたどこかで折り入ってできればと思います。
それでは今回はこの辺で。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!