自称コピーライター風倉氏、ホラー雑語りの結果自分がホラー小説みたいになる:創作のための戦訓講義49
事例概要
発端
![](https://assets.st-note.com/img/1705387399207-Du4qUdSZmL.png?width=800)
ホラー作家、大激怒
力量不足をジャンルのせいにするな https://t.co/VcmWIiT4Ie
— 芦花公園(ろかこうえん) (@ROKA_KOUEN) January 14, 2024
本当にネットのカス創作論全員潰れてほしい。どこの何の立場から何を言うねん。
— 芦花公園(ろかこうえん) (@ROKA_KOUEN) January 14, 2024
あんなの参考にしてたら一作品も出せないよ
自分のことをバカにされたというより自分の好きなものをバカにされたという感じで、屋上なんすよね https://t.co/hA5to2fRZd
— 芦花公園(ろかこうえん) (@ROKA_KOUEN) January 14, 2024
風倉への反論
ホラーやミステリ、SFなどのジャンル小説はその時々の流行りで売れ行きや反響が大きく変わるわけですが、過去に大きく売れたジャンルが今流行じゃないからって「そのジャンルは小説に向いてない」って話には普通ならないよなあ、とぼんやり(異世界ものも90年代後半からゼロ年代は減ってたわけだし)
— 三田誠@Makoto Sanda (@makoto_sanda) January 14, 2024
※ジャンル的な向き不向きというより、時勢的な流行によってそのジャンルの作品を見ることが多いかどうか、読者がどう反応するかが変わるという話。
ホラー大好きそうな、行ける行ける!という皆の反論を聞いてると、まるで書店やネット小説で、ホラーがたくさん売上上位をしめてる世界線にいるような気がしてくるな……
— 風倉@こぴーらいたー作家 (@kazakura_22) January 14, 2024
「小説」の部分を「Web小説」に読み替えてもまだほねがらみとか近畿地方とか名作ゴロゴロでてくるんですがそれは……
— 椿 (@apophylite_) January 14, 2024
例の人、「そんなにホラーが人気なら、なんでホラーが書店やwebのランキングの上位にないんですかねー?」と煽り始めてるが、Twitterのやりすぎで本屋に行ってないんじゃないだろうか。
— 秋野てくと (@arcnight101) January 14, 2024
変な家2と近畿地方が山積みになってるが……
※風倉氏はホラー小説が売れていないと思っているが、全然話題になっている。
※しかも『近畿地方』はまさにWeb小説発祥
音使えるとホラーは一気に進化しますね
— 風倉@こぴーらいたー作家 (@kazakura_22) January 14, 2024
文章ならなんてことない話でも一気に怖くなるし、元々文章ですら怖い話は、心臓の音が聞こえるぐらいの洒落にならんほどの恐怖になる
これで語り部も適切ならもっと加速する
逆にいうと、普通に怖かったサウンドノベルも、音を奪うとかなり落第作がでてくる https://t.co/jMOkMX1Ysh
この人想定顧客が常に「なんか流行ってるから、オススメで流れてきたからぐらいでしかコンテンツを摂取しないライト層の更に手前」みたいな(まぁ居ないってことはないだろうが)ほぼイマジナリーユーザーなので、その論調でホラーを語ったら「恐怖=ジャンプスケア」ぐらいの暴論にもなるわなって
— ほろすず (@horo_suz) January 14, 2024
「そもそもホラーは小説でやるには向かないジャンル」とか言い出すの、「ホラーに理解がない」というより「小説というものへの理解が根本的に足りてなさすぎる」と言わせてもらうしかないんだよな。
— 宮野優(Y人) (@miyayou200920) January 14, 2024
※ホラー小説の話で「音」が出てくる時点で小説に関する認識が雑なのでは……。
相性悪い=高い腕が必要、という意味で使ってたよって話。
— 風倉@こぴーらいたー作家 (@kazakura_22) January 14, 2024
バズったポストのツリー内で説明してると思ったら、してなかった……前後でした。流石に恥ずかしい。これは勘違いされてもしかたない
前後ツイで書いた時、バズ前だったから、身内はツリーにせずともポストを全部見てるだろうと思ったんだな
※表現がまずかったと思っているようだが、批判者のほぼ全員がそういう意味だと分かった上で的外れだと批判しているので……。
ちなみに
あの人、明確に「Web小説ランキングを制圧するぐらいの存在でないと『強いジャンル』とはいえない」ってスタンスをミステリにケンカ売ってた時に取ってたから、ジャンル内に名作があることとは別の数が増えまくるの方の軸で話してるとは思われるから
— 貴金属 (@silverclock96) January 14, 2024
こぴーらいたーがラノベでミステリは受けない!!と言った端からその後の3クールの間バシバシラノベミステリが出始めたので、こっからホラーラノベがどばどば出てくるターンが来るのかもしれないな……
— 貴金属 (@silverclock96) January 14, 2024
※ミステリにも喧嘩売ってたらしいので後で確認します。
ホラー小説分からなかった説
自称コピーライターは前提としてWeb小説について語っているのだろうが、ここ最近でも『近畿地方のある場所について』だの『対怪異アンドロイド開発研究室』だの出ているし、角川ホラー文庫の名前でデスゲーム小説コンテストまでやっているのでマジでエアプだと思われる。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
※書籍の販売状況にあまりにも疎すぎないか? とは思っていたが……。
どの本がホラー小説かわからない人にとっては書店にホラー小説が山積みされててもホラー小説が山積みされていると認識できない、ミステリの解決編か?
— ケイネすけ (@Kaynethkay) January 14, 2024
ホラー小説はタイトルを見ただけではホラー小説と分からない、盲点だったけど的を射ている気がする。
— 青猫あずき/Aoneko Azuki (@MAME_NYA) January 14, 2024
普段から「タイトルの長い本」の雑語りしてばかりいるからタイトルで説明してくれてない本はジャンルすら読み取れないってコトか。
※ホラー小説に疎いのでホラー小説がWebや書店にあってもそれと分かっていない可能性が出てきた。
ホラー小説について参考になるものが出てくる
ホラーのサブジャンルごとの特徴と具体例、この本とか面白いアプローチでまとめてくれてるのでおすすめです
— ケイネすけ (@Kaynethkay) January 14, 2024
これからホラーを読む人へのブックガイドとして優秀すぎる https://t.co/XJQ0yOlAGh
ホラーは小説に向いてない、に目くじら立てるなら、ミステリファンがよく言う「叙述トリックミステリーは映像化や舞台化不可能」も同罪。やれ一人称固定カメラで撮れの、役者にバケツをかぶせろのと、映画・演劇表現に対し失礼ではないか。スクリーンや舞台でこそ可能なトリックやギミックがあるのだよ
— 芦辺 拓 (@ashibetaku) January 14, 2024
まぁぼくもホラー小説のことバリバリ舐めてたし、というかなんなら「ホラーというのを表現するにあたって視覚的表現のない文字媒体はまあまあしんどいんじゃない」という感覚について、直感的にはわからんでもないんだけど芦花公園作品バカ怖いのでまぁなんかいけるらしいっす、って感覚でいる
— 汚泥灰 (@pesopesojamp) January 14, 2024
個人的にはホラー映画は「あっこの絵が動いて迫ってくるのは無理です」とそもそもビジュアルで見ないことがありえるのに対して、ホラー小説は「読みながら脳内で情報の解像度を落として調節する」のも醍醐味ですね(それで対処できたりできなかったりするところが)
— 汀こるもの@探偵は御簾の中 (@korumono) January 14, 2024
「ホラーと小説が相性悪い」っていう「説」、単に「自分は好きじゃないです」以上のことにはならんよね。多分どのジャンルも小説で楽しむのには映画よりは大きなハードルが存在するけど、文章でしか得られない面白さもある、という当たり前の話。
— あびこ (@sukiyapotes) January 14, 2024
※媒体ごとの特徴があるのは当然だが、それって「相性」とは違うんじゃないか。
そういう話の流れなのか。だったらまあ、どうこういう云うことでもないですね。
— 綾辻行人 (@ayatsujiyukito) January 14, 2024
ホラー小説を書きたい人はがんがん書いて、「横溝正史ミステリ&ホラー大賞」に応募してね。綾辻も選考委員、やってます。 https://t.co/uTaTNc7faV
※まあ当該賞もカクヨムで募集しているんだけどね! マジで自称コピーライターWeb小説エアプじゃないか?
1.ホラーは極めて小説的なジャンルだと思う。怪談を含むホラー表現は、何が書かれているかより、いかに書くかが重要だ。これほど文章表現に依存したジャンルもないのではと思う。今売れているホラー小説を読めばそれはすぐにわかることだ→ https://t.co/aYb94n9iig
— 牧野修:『万博聖戦』 (@makinoma) January 14, 2024
※『忌火起草』のシナリオライターのひとりでもある牧野氏の反応もあったようだ。
カクヨムが新聞系のメディアに取り上げられた例としては昨年末に出たこちらの記事もあります。
— Web小説サイト「カクヨム」 (@kaku_yomu) January 14, 2024
〈ホラー小説のメディアとして注目される「カクヨム」だが、今年はさらに存在感を増した印象だ。〉とご紹介いただいております。https://t.co/Qd89h9CIw1
※カクヨムからもアナウンスが。そりゃ曲がりなりにもインフルエンサー的な創作論垂れ流し野郎に商売の綾をつけられては……。
自分にとってのレジェンド
なんか嫌でも目に入った話題の件、私はホラー作家ではないので関係ないのですが、何か言った方がいいです? 私はホラー作家ではないのですが。
— 甲田学人 (@gakuto_coda) January 14, 2024
※『missing』シリーズの著者が反応。ホラー作家のつもりじゃなかったんだ……。
そうだ俺ホラーあんまり読まないなと思ってたけど『断章のグリム』大好きじゃん。 https://t.co/IhKi7gxkEj
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
※自分にとっては『断章のグリム』シリーズの作家。ホラーが苦手という認識だったが、ちゃんとホラーを読んでいたことを思い出す。
甲田学人と言えばmissingが挙がるのだが、個人的にはものの流れなのか『断章のグリム』の印象が強い。泡に触れると溶ける話で何気なく歯磨きしたら歯磨き粉の泡で溶けて歯が抜けるやつあったよね。くそ怖かったよ。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
メルヘンというか空想的ながらリアルと接続しているのが怖いんだ……。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
俺はホラーが苦手で映画にしろ小説にしろインプットがほぼ無いから書けないと思っていたが、普通に『断章のグリム』を読んでいたので読み返して分析すればおそらく何かしら得られると思われる。今回の馬鹿騒ぎの少ない儲けだったな。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
※ホラー小説を書く上でのインプットを思い出すきっかけに。
創作論の意義とは
とりあえず言えるのは、文章書きたくて書いてる人が、こういうのを書きたいと思って書き始めた人が、書きたい内容と文章という媒体の相性が悪いと感じたとして、そこで書くのやめます? どうにかして成立させてやろうと、あれこれ考えて工夫するのが楽しいのではないです?
— 甲田学人 (@gakuto_coda) January 14, 2024
なので、自分が今まさに書いていて苦心してるわけでもないものについて、相性を云々言うのはあまり意味がないかなあ、と思う次第。思考実験は面白いので議論は良いと思いますが、決めつけるだけならば意味はないかなあ、と。
— 甲田学人 (@gakuto_coda) January 14, 2024
まさに。媒体ごとの相性の問題は指摘され、それが妥当だったところでまさに書こうとしている人間には意味のない指摘に過ぎない。だってどうせ書くし。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
この「何を指摘されようと、それが妥当か否かに関わらずどうせ書く」という意識、意外と持っていないのかもしれない。少なくともあの手の創作論周りで蠢くタイプの人間には持ち合わせていない衝動かもしれない。
— 紅藍@カクヨムで新作『偽王子事件』連載中 (@akaai5555) January 14, 2024
個人見解
私はホラーを専門としないので反論は他人任せにしておいたが、今回の騒動で『断章のグリム』のことを思い出し、ホラー小説を書く上での恐怖表現のインプット先に気づいたのは唯一の儲けだった。ホラーを書こうにもインプットが少ないのに難儀していたので。
甲田学人氏の発言はまさしくで、仮に相性が悪いのが事実だとして、工夫を凝らして書いてやろうとするのが普通ではないかという感じがする。文字書きの中には多くの創作物に触れ感動するが、自分がアウトプットできるのは文章だけで音楽や絵は出しようがない、という人種がいる。私もまさにその類だが。
そういう人間にとって、文字媒体で表現する「相性の悪さ」など指摘されたところで「へえ」としか言いようがない。どうせ書くし、自分の表現したいものを表現する手段はこれしかないからだ。裏返せば「どうせ書くし」で一蹴されるようなものは創作論とは言えないのかもしれない。
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