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404PMC:銃社会日本探偵録

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銃の所持が認められ銃社会となった日本。ロシアが東欧へ侵攻した隙をつき、樺太へ日本が侵攻した世界。樺太戦争が終わった戦後日本で、現代の捨て駒というべき元非正規雇用の中年男は、元少年… もっと読む
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記事一覧

【14】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」08

前話 「もしもし。ああ教頭先生。どうも」  事件の二日後。俺は事務所で電話を受けていた。 …

【13】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」07

前話  銃声が、辺り一帯に轟く。  少年は側頭部を撃ち抜かれ、その場に膝をつく。  遅かっ…

【12】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」06

前話  子どもを撃ち殺し平然とする少年。英雄視する教師。脅迫状。狙撃手。見つかる狙撃地点…

【11】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」05

前話  さて、問題の狙撃地点三か所だが、そのうち二か所は論外だった。  狙撃地点としての…

【10】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」04

前話  狙撃される可能性のある対象の警護。依頼としてはかなり難易度が高くハードだが、受け…

【09】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」03

前話  日本が銃刀法を改正し、一般市民でも銃を持てるようになったのは二〇〇〇年代初頭のこ…

【08】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」02

前話 「もしもし。国守第一高校ですか。ええ、はい」  樺太から東京へ戻って数日後、俺は自身の城たる404PMC探偵社の事務所で書類を作りながら、方々に電話をかけていた。 「そちらで移民の子どもの受け入れをしていると聞きまして。いえ、ロシア系ではないです。近いところの出身ですが。日本語を問題なく話せます。なんなら英語も……、え、駄目? ロシア系は許可できない? いやだからロシア系じゃないんですって近いけど。国籍の条件はサイトに書かれてなかったじゃ――切れた」  受話器を置く。

【07】404PMC:銃社会日本探偵録 後編「英雄の条件:男子高校生警護依頼」01

前話  東京都国守区。自衛隊が国防軍へ再編された折、日本は少し変革の時を迎えた。変革と言…

【06】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件…

前話  その後。  縄張り争いにどういう決着をつけたのか定かではないが、北海道警察の樺太…

【05】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件…

前話  名探偵、みなをあつめて、さてといい。  じゃあないが。  結果的にそんな雰囲気にな…

【04】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件…

前話 「さて、それで事態を整理するんだが」  引き続き、懲罰房の中において。俺は少女と相…

【03】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件…

前話  すぐに警備兵が呼び出され、警察にも通報されることとなった。  収容所を管轄する樺…

【02】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件…

前話  国防陸軍樺太方面隊豊原基地が俺の目的地……ではないのだが、すぐ横にある施設が目的…

【01】404PMC:銃社会日本探偵録 前編「死を思えぬ者たち:樺太捕虜収容所職員変死事件」01

あらすじ 2000年代初頭、日本は「対外脅威と戦える国造り」を標榜し、ふたつの大改革を実行した。ひとつが自衛隊の国防軍への改編。もうひとつが銃刀法の改正であった。これによりアメリカに次ぐ銃社会となった日本では、国防軍が海外進出に専念するため一部の業務を民間軍事企業すなわちPMCに委託するようになる。  零細PMCの所長代理、羽柴理三郎はかつての相棒の頼みで、元ロシア軍の少女、マチルダを保護する。元非正規雇用と元少年兵、取り残された二人の「捨て駒」は銃社会となった日本で起きる事