夏はサザンだ。音楽は自由だ。

先日見たテレビで、「好きなラブソングはなんですか？」というテーマでトークをしていた。嵐の櫻井君とお源さん（星野源）が楽しそうに話しているのを聞きながら、もし僕がそこに参加していたらどの曲を選ぶかな～と考えていた。絶対あり得ないシチュエーションではあるが、妄想するのは自由だ。

僕はサザンオールスターズの『LOVE　AFFAIR～秘密のデート』が思い浮かんだ。きっと最近暑くなって、夏用のパジャマを出したばかりだったからだろう。今年もサザンの季節がやってくる。夏は毎年やってくるので、その都度サザンが好きになり、年々愛は大きくなっていく。

サザンオールスターズは、何を隠そう「父の車で流れていた音楽ランキング堂々の第一位」だ。『LOVE　AFFAIR～秘密のデート』も幼い時に父の影響で自然と耳にし、ワクワクするメロディとサウンドが好きで、楽しく聴いていた。

その後、高校生になり色々な音楽を自分で聴くようになったとき、この曲を改めて聴いた。そのときに歌詞の意味をちゃんと知った僕は、「え！マジ！？」と衝撃を受けた。そう、この曲はタイトルにもある通り「不倫・浮気」をテーマにした曲だったのだ。

世間で基本的に「悪」とされている不倫・浮気の曲をこんなに堂々と歌い、それをたくさんの人が楽しみながら聴いていることに私はびっくりした。

しかし、桑田さんから僕は「音楽は道徳の教科書ではない」ということを教えてもらった気がした。音楽にとって「正しい・正しくない」ということは別に重要なことではないのかもしれない。その曲を作った人の心とそれを聴いた人の心が、どんな理由であれ、通じ合う瞬間があればそれ以上に何が必要だろうか。

そしてこの曲は、爽やかでピュアであるほど、切なかった。僕が幼い頃に歌詞の意味も分からず、楽しく聴いていたのもあながち間違いではなかったのかもしれない。

おどけたボーリングの動きをしながら不倫を歌う桑田さん、その後ろでキーボードを弾く奥さんの原由子さんは本当に音楽が好きなんだな、と思った。