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倒産危険度ランキング-会社のその後[2008年編]1位〜20位

ビジネス誌の週刊ダイヤモンドでは毎年、倒産危険度ランキングなるものが特集として組まれます。結構センセーショナルな内容なので、ご存知の方も多いと思います。

上場企業を対象として、週刊ダイヤモンドが独自の経営分析を行い、倒産の危険度をランキングするものです。それそのものは非常に興味深い分析なのですが、ランクインした会社がその後本当に倒産したのか、検証する記事はありません。

そこでこのnoteでは順次、倒産危険度にランクインした会社のその後を追いかけてみたいと思います。

今回は、倒産危険度ランキング2008年版の、1位から20位までです。対象の本は下記になります。

別途、Youtubeでも動画を作っていますのでそちらもご覧ください。

1位 フリード(現フォーバルリアルエステート)

債務超過でしたが、翌年の2009年にフォーバルの資本が入ることにより倒産を回避しました。元々フォーバルの出身者が作った会社なのでその人脈を生かしたのでしょう。今はフォーバルリアルエステートという会社で営業を続けています。

元々はオフィス機器の販売会社でしたが、今はオフィス移転サービスが中心です。ただの営業会社からソリューション提供会社にピボットしたことで業績を回復させたと私は考えています。

2位 デュオシステムズ(現ITbook)

医療関係の子会社が赤字の要因だったようで、その子会社を売却したことで状況はよくなったようです。今はM&Aを繰り返しながら組織改編をし、今はITbookホールディングス傘下の、ITbookという会社になっています。

3位 キムラタン 

100年近い歴史を誇るベビー衣料のメーカーです。上場は維持していますが、少子高齢化社会やグローバルSPAの登場などで苦戦は続いているようです。連結子会社もいくつか持ち、最近では保育園事業にも進出していますが、財務状況は非常に悪化しています。有価証券報告書を見ると、原価率が非常に高いのも気になります。

4位 ネクステック 

PLM(Product Lifecycle Management)製品を開発していた会社ですが、2011年に民事再生を申請しています。その時の負債総額は16億円となっています。開発にお金をかけすぎたのでしょう。PLMは一時確かに流行り、SAPなんかも頑張っていましたが思ったほど市場がなかったのかもしれません。リーマンショック後はSIer的な会社は結構潰れています。

5位 GMOインターネット

無茶なM&Aがひびきランクインしていますが、言わずと知れたITガリバーです。オリエント信販の買収がよくなかったようですが、その後に撤退して業績を回復させています。

6位 DPGホールディングス

XMLを駆使して情報提供をする会社だったようですが、最終的にM&Aでその事業を売却、さらに飲食業を買収していたようです。完全に本業が変わってしまい、2012年に破産しています。何のための上場なのか。会社のVisionは何なのか。上場という花道に踊らされたのでしょうか。。。

7位 NowLoading

2015年に破産しています。最終的には、粉飾決算も行っていたようです。

8位 コムシード

オンラインゲーム事業の不振で危険度ランクイン。しかしその後、パチンコ・パチスロのモバイルゲームに特化し回復しています。

旧社名がパチンコクラブドットコムですから、本業回帰したわけです。

選択と集中が上手くはまった例ですね。

9位 ジャパンデジタルコンテンツ信託

『フラガール』の製作資金を調達した手段として有名でしたが、2009年に信託免許取り消し、さらに上場廃止となりました。上場廃止直前には、従業員による横領や粉飾もあったようです。社長と監査法人の意見があっていなかったようです。

上場廃止ごの情報は見つかりませんでした。

10位 GDH

アニメ制作会社で、フジテレビからの出資も受けていたようです。上場廃止ごに、アサツーDKに買収されたようですが、過去の粉飾が発覚、事業は他社に譲渡されたいます。おそらく存続はしているでしょうが、細々とでしょうね。

11位 ヒューネット(現RISE)

不動産開発会社で業績が不安定ながらも会社は継続して上場しています。会社名はRISEです。

12位 モック

2009年に破産しています。イベントやウェディングのプロデュースを行う会社でした。

13位 オープンインターフェース

2010年に破産しています。PCなどの互換性テスト事業を行っていたようです。技術が進展し、互換性テスト自体の技術的ニーズが無くなったのでしょう。しかし新たな収益事業を見つけられなかった。それが破産という結果を招いたのだと思います。

14位 SBIネットシステムズ

元々は動画編集などの会社だったようですが、それをSBIが資本を入れた際にSBIネットシステムズに会社名を変更しています。今はSBIホールディングスの完全子会社になったことで上場廃止になっています。会社は存続しています。

15位 ダイキサウンド(現レッド・プラネット・ジャパン)

社名にサウンドとついていたことからも分かるように、元々はCD・レコードの企画・制作・販売の会社として設立されています。上場してお金が増えたのか、事業を多角化させて赤字になり危険度ランキングに入りました。しかしその後に赤字事業から撤退し、2013年にはホテル事業に参入し、バジェットホテル(=低価格ホテル)に特化しています。

16位 アイ・ビー・イーホールディングス

2009年に循環取引などが発覚し上場廃止になっています。その後の情報はありませんでした。

17位 リアルビジョン(現 株式会社RVH)

元々次元グラフィックス向けLSIの開発・販売等を目的として設立されていますが、その後ホールディングス化しています。レディース脱毛のミュゼ、たかの友梨ビューティークリニックなどを買収し、多角的な事業を営むグループを形成しています。元のリアルビジョンは分割子会社として残っています。

18位 アプレシオ

2009年に民事再生を申請しました。株式会社東興により吸収合併され、会社名を株式会社aprecioにしています。ブランド力があったのかもしれませんね。ライブドア を買収したエッジと同じパターンです。

19位 アーク

2009年より企業再生支援機構(現 地域経済活性化機構)の支援を受け復活。今は三井化学の子会社に。

20位 エム・ピー・テクノロジーズ(現 アセンテック株式会社)

純粋持株会社化し、新設分割子会社で事業を継続しています。その後、その子会社をアセンティックと社名変更しています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

危険度ランキングに入った会社も、本当に倒産したところもあれば復活したところもあります。

復活した会社の成功要因を見てみると、「他社の資本提供を受ける(=それほど事業自体に魅力がある)」、「事業の選択と集中をする」といったことが挙げられると思います。

今回は2008年の1位から20位でしたが、他の年度や順位もどんどんUPしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

皆様のお役に立てるよう日々邁進してまいります!