MastodonやMisskeyとはどんなもの?

Twitter(現X)の代替候補とも言われている、MastodonMisskey。筆者も最近アカウントを作って、Mastodonを使いはじめた。そして、それらを内包するFediverseの世界についても、おぼろげながら理解できてきた。

Fediverseがもっと盛り上がってほしい気持ちもあるし、ITに詳しくない友人を勧誘すべく説明するようなつもりで、理解できたことをまとめたいと思う。(筆者自身もそこまで詳しくないし、わかりやすさ優先なので用語の意味が厳密には間違っているかもしれませんが、あしからず。)

そもそもMastodonやMisskeyとは何の名称?

まず、「Mastodon」「Misskey」などは、サーバー内で動いているソフトウェアの名称である(サービス自体を指す場合もあるが)。Twitter(X)やInstagramのように、そういった名前のサービスを企業が提供しているわけではない。

MastodonもMisskeyもオープンソースソフトウェアなので、(機器としての物理的な)サーバーと、必要な知識・技術さえあれば、誰でもMastodonをインストールしてサーバーを作成することができる。MastodonもMisskeyも、サーバーは既にたくさん稼働していて、それぞれの運営者が、各々の考えに基づいて運営している。

一般ユーザーとしての始め方

サーバーを建てるところから始めるような猛者は、ほとんどいないと思われる。
では1ユーザーとして、例えばMastodonをどうやって使い始めるのかというと、Mastodonのサーバーの一つを選んで、アカウントを登録することになる。

登録するサーバーはどうするか?

ひとまず使ってみたい場合は、それぞれの代表的なサーバーである、mastodon.socialmisskey.ioに登録して、様子を見てみるのがいいと思う。

ブラウザでアクセスすれば、登録画面に誘導されると思う。

とりあえず投稿を眺めてみよう

mastodon.socialの場合は全世界的なサーバーなので、始めてみるとタイムラインに英語の投稿がたくさん出てきて、いまいち入り込みにくいかもしれない。

そんな投稿の流れを見てみると、投稿者の名前(@〇〇)の後に、もう一度@□□と書かれているユーザーもいる。後ろの@□□が、そのユーザーが所属するサーバー名を表している。

サーバー名はそのままインターネットのURLなので、興味のあるサーバーを自分で開いて見てみることもできる。サーバー名がないのは同じサーバーに属しているユーザー(だと思うけど、サーバーによって機能がカスタマイズされているので違うかもしれない)。

あるいは、そんな探し方をしなくても、「マストドン サーバー」などでネット検索すれば、自分に合いそうなサーバーの候補が見いだせると思う。

ひとつ注意点として、招待制のサーバーや受付停止中のサーバーもあるので、どこでも自由に登録できるわけではない。

ちなみに筆者はMastodonのfedibird.comを主に使っている。人が少ないせいかもしれないし、しっかり管理がなされているからかもしれないけど、Twitterに比べて、とても平和で居心地がいい印象。(ただし現時点で招待制)

他のサーバーとつながっている

上に書いてしまったけれど、MastodonもMisskeyも、サーバーが他のサーバーと相互につながっていて、お互いのユーザーがやり取りできるようになっている。ただ完全に一体というわけではなく、サーバーごとの考えによってやり取りする相手を制限していたり、同期する対象を絞っていたりする。

ともあれ使用上は、所属するサーバーの違いだけでなく、MastodonとMisskeyの違いもそんなに意識しなくていい。MastodonとMisskey両方に対応したスマホアプリもある。(スマホアプリに関しては、Mastodonは一応公式アプリがあるが、Misskeyの方はそもそもサードパーティー製のものしかない)

MastodonもMisskeyも「ActivityPub」という共通の通信プロトコル(ソフト的な通信の規格)を採用しているので、このようなことが可能になっている。

Fediverseの世界 (Federation + Universe)

言い換えれば、ActivityPubを使っていれば、MastodonやMisskey以外のSNSでも相互に交流することができる。Wikipediaでざっとみただけでも、既に数10のソフトウェアがActivityPubに対応している。Metaの「Threads」も、将来的にActivityPubに対応するらしい。

この相互につながったSNS群は、Fediverseと呼ばれている。

Fediverseの特徴は、大きな資本がなくても「自由に場を作る」ことができる点だと思う。言論や思想を特定の主体がコントロールすることはできないし、反面、広告収入などでマネタイズすることも難しい。Twitter(現X)のような、営利企業による一元管理・一極集中型のSNSとは大きく異なる。

あまりテーマに深入りすると、素人ゆえのボロが出そうなのでやめておくが、個人個人からのボトムアップで大きく広くつながっていくFediverseの理念は気に入っているし、今よりもっとメジャーになってほしいと思っている。

意識しなければならないのは

一つ意識しなければならないのが、Fediverseのサーバーが主に有志や個人の手で運営されている点。オープンソースソフトウェアと同じように、費用は運営者の自腹か、寄付に頼る場合が多いと思う。

このところTwitterで何かあるたびに大量の移民(?)が押し寄せて来て、MastodonやMisskeyのサーバーが不安定になったりしているようだ。自分もその一人なので非難はできないが。

個々のMastodonやMisskeyのサーバー、ひいてはFediverseが個人の力で運営されているということを思い出して、お世話になっているサーバーの運営が続けられるように協力を惜しまないようにしたい。ユーザーにも力と責任があることを忘れずに。これは筆者自身へのいましめでもある。

おわりに

繰り返しになってしまうが筆者自身は、ボトムアップのFediverseの世界に希望を感じている。今はまだまだ人が少ないが、使い続けながら今後の展開を待ちたい。

これで友人にも熱意ぐらいは伝わるかな。


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