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蒼空との出逢い

蒼白い雲で
そらが覆われています

心に溜まった哀しみを
淡々と
低い声で語り続けるように
雨が降り続いています

気がつくと私は
傘をさして
外に出ていました

どこへいくとも決めず
歩いて
歩いて…

ふと
足元に
オオイヌフグリが咲いているのを見つけました

鮮やかな蒼い色をした花びら

こころの中に
青空ができていきました
空色の絵具がスーッと広がってゆくように

わたしは
知らず知らずのうちに
見られるはずのない蒼空を
探していたのかもしれません

そして
いつの間にか
声にはならない声で
呼ばれて居たのかもしれません

果てのない青空を
花びらに抱いたまま

うつむいている
ほんの小さないのちに