見出し画像

どくだみの花

あまりに
無防備すぎるのかもしれない
かぐわしい香りで
あたりを包むには

清らかで
やさしい真っ白な花が生きていくためには
黒く縁どられた葉が
どうしても必要だったのかもしれない

いつのまにか
選ばされていた“ひとりぼっち“
自分から
選んでいたのかもしれない“ひとりぼっち“

しゃがみ込んで目を合わせたわたしに
どくだみの花は
静かに微笑みかける

この花は
与えられた全てのものを
大切に受け取って
そっと抱きしめているのかもしれない

こころの中にほんの少し
冷たい涙を溜めたまま