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cEDHキャラ対講座 Grixis Turbo Naus編


1.まず敵を知ろう

Grixis Turbo Nausって何さ

Grixisは青黒赤の組み合わせのこと、Turbo Nausは"Turbo"(マナ加速)して"Naus"(《むかつき/Ad Nauseam》)するデッキタイプのことです。
Grixis Turbo Nausとアーキタイプでくくりましたが、今回話すのは《ロフガフフの息子、ログラクフ/Rograkh, Son of Rohgahh》+《求道の達人、サイラス・レン/Silas Renn, Seeker Adept》/《鋭い目の航海士、マルコム/Malcolm, Keen-Eyed Navigator》+《激情の薬瓶砕き/Vial Smasher the Fierce》の2デッキになります。

無関係な青黒のおっさん
無関係な赤黒のメンヘラ

使う側としては結構違うデッキなんですが、向き合う側として意識することは大差無いのでまとめて記事にしてしまおうということですね。

これらのデッキはまず1~2ターン目にゲームを終わらせることを目指します。
具体的には、マナアーティファクトや儀式でマナを伸ばし、豊富に採用されたサーチを使って《むかつき/Ad Nauseam》を叩きつけることになります。
その際、青が採用されていることから各種打ち消しがバックアップとして存在し、所謂「nバック2キル」を実現することができます。
流石に5マナ出しながら更に青マナを浮かせた上で《むかつき/Ad Nauseam》をプレイして、バックアップとして1マナカウンターを撃つのは難しいのでやはりピッチの価値が高くなるのですが、MH3にて《拒絶の閃光/Flare of Denial》と《重複の閃光/Flare of Duplication》が追加されそれも少し簡単になりました。

単純にバックが増えた

というわけで、《ロフガフフの息子、ログラクフ/Rograkh, Son of Rohgahh》による初動速度の担保、《鋭い目の航海士、マルコム/Malcolm, Keen-Eyed Navigator》を経由することにより実質+1マナの状態を作るなど、それぞれの方法で「2t5マナ」の再現性を高める努力をしているわけですが、流石にそのためにはめちゃめちゃマリガンしないといけないわけです。

そうなると手札が5枚とか4枚とかまで追い込まれた上に全然《むかつき/Ad Nauseam》撃てない!みたいになることもまああります。
その時のバックアップとして所謂7ドローがふんだんに採用され、「1t7ドロー」による「自分のリソースの回復+相手のキープの破壊」というプランが用意されています。

《災難の輪/Wheel of Misfortune》はちょっと毛色が違う

その場合もやはり初動加速の多さが7ドロー解決後のゲーム展開を有利に進められることが多く、また自分のバックアップ用に多めに採用されたピッチスペルが7ドロー後の隙を消してくれるためデッキ構築を歪めること無いサイドプランとして非常に強力になります。

また、《リスティックの研究/Rhystic Study》と《神秘的負荷/Mystic Remora》による溜め込みプランも非常に強力です。
マナアーティファクトが多めに採用されている都合上引いたカードを即座に盤面に還元することが出来るうえに、それにより《神秘的負荷/Mystic Remora》の維持が用意になります。
このプランは《むかつき/Ad Nauseam》のサーチのために大量に採用されたサーチから持ってくることにより、《むかつき/Ad Nauseam》は通らなさそうだな~と思ったときの舵切りを容易にしています。

手札を溜め込むことに成功すると先述した7ドロー後と同じように、自分のために採用された多くの打ち消しが受けとして機能するため、高速コンボデッキとはいえ高い受け性能を誇ります。
《ネクロポーテンス/Necropotence》《ネクロドミナンス/Necrodominance》との相性を加味して採用された《風に運ばれて/Borne Upon a Wind》や、《最後の賭け/Final Fortune》により「受けきって差し込む」というプレイを可能にし、ロングゲームでも一定の勝率を担保する事ができます。

差し込め!

総じて早いターンからゲームの主導権を握り、妨害がなければかなりの確率でそのままゲームを終わらせることが出来る上に、プランの変更により苦手とはいえロングゲームを制する可能性も秘めたデッキ、ということになります。

《ログサイ》と《マル砕き》の差

Grixis Turbo Naus全体の話は良いとして、じゃあ《ログサイ》と《マル砕き》は同じデッキなのかっていうとそんなこともないです。

《ログサイ》は速度が尋常じゃなく早いです。
《ロフガフフの息子、ログラクフ/Rograkh, Son of Rohgahh》により他のデッキの追随を許さない量の初動加速を確保し、《激情の後見/Fierce Guardianship》《偏向はたき/Deflecting Swat》《重複の閃光/Flare of Duplication》といったピッチスペルを構えることも容易になります。
総じてバックアップを抱えた状態で序盤にビッグアクションを行うことの再現性を高めているデッキになります。

一方の《マル砕き》は《ロフガフフの息子、ログラクフ/Rograkh, Son of Rohgahh》が居ない分初動のマナ加速にはやや劣りますが、《鋭い目の航海士、マルコム/Malcolm, Keen-Eyed Navigator》による継続的なマナ加速が売りです。
《神秘的負荷/Mystic Remora》との相性が抜群によく、《マルコム》で伸ばしたマナにより累加アップキープの支払いが容易になるため、非常に長い間《神秘的負荷/Mystic Remora》を維持することが可能になります。
また、《光り角の海賊/Glint-Horn Buccaneer》コンボはこのデッキを使う大きな理由の一つになります。打ち消しに強く、必要なカードの枚数も少ないこのコンボの存在は、《神秘的負荷/Mystic Remora》による溜め込みプランと非常に相性が良く、ロングゲームの強さは《ログサイ》と比較したときに明確な利点になります。


2.要注意カード

《むかつき/Ad Nauseam》

死にます。打ち消してください。
何故かインスタントなので上から撃たれることもままあることを覚えておきましょう。5マナ無くても儀式から飛んできます。どう予測せいっちゅうねん

《有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom》にガードを上げて《紅蓮破/Pyroblast》《赤霊破/Red Elemental Blast》とかを採用しすぎるとこれらを握りしめたまま《むかつき/Ad Nauseam》が通って死ぬこともあります。構築段階でいい塩梅を頑張って探してください。ままならないね……

https://twiman.net/user/1128144025305792512/1809194199499280387


《ネクロポーテンス/Necropotence》/《ネクロドミナンス/Necrodominance》

これは《ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain》のシーンなんだけど

《むかつき/Ad Nauseam》と違ってドロータイミングがエンドステップなので即死は無いですが、だいたい通った次のターンに《風に運ばれて/Borne Upon a Wind》か《出現領域/Emergence Zone》と組み合わせて死にますし、何より《暗黒の儀式/Dark Ritual》1枚から出てきちゃうのがやっぱりとんでもないです。

あとカードタイプの都合上結構消えにくいのも難点です。
早くて消えにくい、ある意味《むかつき/Ad Nauseam》より強力なプランたり得てる理由ですね。


《リスティックの研究/Rhystic Study》/《神秘的負荷/Mystic Remora》

ゆーっくりカードが増えていくだけで結果的には《むかつき/Ad Nauseam》とか《ネクロポーテンス/Necropotence》とあんまり変わらないですよ、これ。

即死しないだけ


《ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will》

八雲ちゃんやっぱかわいい

そのデメリット効果から《死の国からの脱出/Underworld Breach》との相性が悪く近年は採用率の下がっていたこのカードですが、まあやっぱり最強であることが再確認されました。

失敗した仕掛けをもう一度行うのみならず、打ち消されたり除去された《リスティックの研究/Rhystic Study》や《神秘的負荷/Mystic Remora》を戦場に戻すような使い方をすれば実質《セヴィンの再利用/Sevinne's Reclamation》のように機能することもあります。

また、Grixisでは結局のところ《タッサの神託者/Thassa's Oracle》コンボの存在から別に墓地が使えなくなっても最悪問題は無いところもこのカードの採用を後押ししてますね。


7ドロー系カード

すべそれの時代のカードが強すぎるぜ

基本的にマスカンです。
というのも、Grixisが7ドローを売ってくるタイミングは基本的にもう盤面にマナを大量に展開し終わったあとですから、引いた7枚の手札を最も有効活用できるのは仕掛けたGrixisの側になります。
逆に言うとここさえ止めてしまえばしばらく黙るのである意味Grixis側も祈りながら撃ってるところあります。


インスタントウィン系カード

上から来るぞ!気をつけろ!

最後の最後に襲ってくるのがこいつらです。

虎視眈々と正レギュラーを狙ってきます。
好きな言葉は……

《風に運ばれて/Borne Upon a Wind》はともかく、《最後の賭け/Final Fortune》があるかどうかのチェックのために(R)(R)が捻出出来るかどうかは意識しておきましょう


3.立ち回り

マリガンの段階で、先述した要注意カードが1~2tに飛んでくることを想定したキープをする必要があります。
要は打ち消しキープして構えてねってことなんですが、まあ皆が皆そうもいかないのがEDHってゲームです。最序盤の1対1にはめっぽう強いですからやれるだけやって負けたらしゃーないと切り替えていくことも重要です。

ただ、最近の傾向としてようやく《ロフガフフの息子、ログラクフ/Rograkh, Son of Rohgahh》系に自分本位のキープをすると死ぬということが浸透してきて、流石に皆2tくらいまでのファストゲームのゲーム感はわかってきてくれていますから、結構早仕掛けは通らなくなってきつつあります。

《むかつき/Ad Nauseam》だけじゃなくて《神秘的負荷/Mystic Remora》とかにもしっかり強気にカウンターを撃って息の根を止めていけるといいですね。

また、自分が《神秘的負荷/Mystic Remora》を置いてしまうのもまた一興です。周りのプレイヤーからの振り込みも期待できますし、仮に走ってこられてもその過程でカードを山程引けるので受けれる確率がかなり高い&ターン帰ってきたときに勝てる確率も上がります。
下手なスタックスよりよっぽど効くのでかなりおすすめなキープです。

ただ、フルタップで設置してしまうと突っ込まれたときに上10枚くらいにピッチスペルが無いと厳しくなってしまうので、1マナカウンター持ってるときは欲張らず後で設置する等の工夫は必要です。

要は同速で勝ちに行けるデッキではないのであれば、しっかりゲームを伸ばすことを意識しましょう、ということですね!

マリガンが本番、になりがち


4.終わりに

結構有名なアーキタイプなので書くことはそんなに多くなくさっぱり終わりました。
ただまあGrixisのリス研軽視されすぎ問題は感じていたのでこれを読んで認識をアップデートしてくれると助かります。

強いアーキタイプではあるのですが、最近はもっぱらキープを合わされて撃沈していることが多いので、やっぱり環境初期の番長だったんだなーと感じています、今積極的に他人に勧める気はないですね……
とはいえ神決予選やガチコマオープンのレベルであればデッキの出力で全員薙ぎ払って行けるだけの力はあるのでやっぱり一定数存在することは意識したほうが良いことに変わりはないかなーと思いました。

こんな感じで《有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom》が禁止にならなければ、
しばらくは強いっす

今回はこんなところで、いつも通り疑問、質問、いちゃもんは僕のX(旧Twitter)まで。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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