タバタトレーニングの効果
日本のスピードスケート選手に向けて考案されたタバタトレーニング。
他のトレーニングと比較したとき、特徴的な効果はどのようなものなのでしょうか?
今回はタバタトレーニングの効果をみた研究を2編ご紹介します。
是非、読み進めてみてくださいね。
タバタトレーニングの詳細は、以下の記事にてご紹介しています。併せてご参照ください。
1.タバタさんによる初期の研究
1986年にタバタさんによって行われた研究では、14名の体育大の学生が参加し、効果の検証を行われています。
VO2maxは50mL/kg/min前後、体育大の学生でもあるのでパフォーマンスは「Active~Well trained」ほどを想定してください。
比較されたトレーニング方法は以下の2つ
・220%FTPで20秒 - 10秒レスト ×7-8セット(タバタ式)
・90%FTPで60分(LT走)
※220%FTP、90%FTPは論文中では170%VO2max、90%VTと記載されています。記述内容からおおよそを推測した値になります。
選手はどちらかのトレーニングを週に5日、計6週間実施しています。トレーニング強度は選手の適応に合わせて高められていきます。
タバタ式の詳細を載せておきますね。
結果は以下のようになりました。
有酸素能力
タバタ式:VO2maxが7mL/kg/min(15%)向上
LT走:VO2maxが5mL/kg/min(10%)向上
無酸素能力
タバタ式:28%向上
LT走:変化なし
特筆する点はタバタトレーニングは無酸素能力の向上も見られることです。
一般的な高強度インターバルトレーニング(例、4分全力 - 2分レスト ×4など)では無酸素能力の向上はあまり見られません。
タバタトレーニングはセット間のレストが10秒と非常に短くて、無酸素能力も最大限動員されるために効果があるのだと考察されています。
実施時間も4分と非常に短いので、時間的なコスパも良いですね。
ただ昨日の記事でもご説明したように、このような効果を得るためには上記の方法でトレーニングを完遂させなければなりません。
相当追い込まなければならず、一生懸命ペダルを回した、という程度の強度ではありませんので、タバタ式を実施する際は全集中で実施してくださいね。
2.Fosterさんの研究
こちらの研究は2015年に発表されたもので、普段運動していない学生に向けてトレーニング介入がなされています。
体力レベルは「Beginer」のイメージ。
男女計55名の学生が体力レベルを合わせて3つのグループに分けられて、以下のどれかのトレーニングを実施しました。
・90%FTPで20分間走(LT走)
・110%FTP30秒 - 90%FTP60秒 ×13set (マイヤー式)
・190%FTP20秒 - 10秒完全レスト ×8(タバタ式)
※90%FTP、110%FTP、190%FTPはそれぞれ論文中にあった90%VT、100%VO2max、170%aerPOからの推測値です。おそらくタバタ式の強度は本家よりも低めになっていると思われます。
学生たちは週に3回、計8週間トレーニングを継続しています。
トレーニングの結果は以下のようになりました。
VO2max
LT走:+19%
マイヤー式:+18%
タバタ式:+18%
無酸素能力
LT走:+8%
マイヤー式:+5%
タバタ式:+9%
ランプテスト
LT走:+17%
マイヤー式:+14%
タバタ式:+24%
3つの方法の中では、総合するとタバタトレーニングの効果に分がある結果となっています。
ちなみにこの研究ではトレーニングの楽しさも同時に調査されていて、タバタ式はこの3つの中で最も楽しくないという結果でした。
RPE(主観的運動強度)もLT走は4/10(ややきつい)、マイヤー式は5/10(きつい)、タバタ式は7/10(非常にきつい)となっていました。
まあ、そうですよね。。笑
以上、代表的な論文をご紹介しました。
他のトレーニング方法ももちろん効果があるけれど、より効率よくパフォーマンスを高めたい!というときにはタバタトレーニングを実施すると良いかもしれませんね。
トレーニングのバリエーションに、是非タバタトレーニングを取り入れてみてください!
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
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色々な記事がありますので、読んでみてくださいね。
ご紹介した論文
Tabata, I., Nishimura, K., Kouzaki, M., Hirai, Y., Ogita, F., Miyachi, M., & Yamamoto, K. (1996). Effects of moderate-intensity endurance and high-intensity intermittent training on anaerobic capacity and VO(2max). Medicine and Science in Sports and Exercise, 28(10), 1327–1330. https://doi.org/10.1097/00005768-199610000-00018
<div class="csl-entry">Foster, C., Farland, C. v, Guidotti, F., Harbin, M., Roberts, B., Schuette, J., Tuuri, A., Doberstein, S. T., & Porcari, J. P. (2015). The Effects of High Intensity Interval Training vs Steady State Training on Aerobic and Anaerobic Capacity. Journal of Sports Science and Medicine.
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