見出し画像

VO2maxについて②

以前にVO2maxに関する海外記事をご紹介させてもらいました。今回は違った方がVO2maxについて書かれた記事をご紹介します。

色々な方の見方、説明を読むことで理解はさらに深まると思いますので、是非読み進めてみてくださいね。

今回はTrainerroadというトレーニングデータ管理アプリを制作されている会社のホームページから引用させてもらいました。

VO2maxの向上について深堀している記事になります。

意訳、要約をしていますので、予めご了承くださいね。

それではご紹介していきましょう。



参考記事


多くの方がVO2maxは変わらず、遺伝的な要因によって上限が決まっていると考えています。しかしそれは誤った認識でVO2maxは固定されていません。

計画的なトレーニングによってVO2maxは向上させることができ、特に長期間トレーニングを継続するほどその効果は表れます。

どうすればいい?この記事を読んでみてください!


VO2maxとは何か?

VO2maxはあなたの有酸素能力の最大値を示しています。Volume(量) of O2(酸素) Maximum(最大)でVO2max、あなたの体が効果的に利用できる酸素の量を表します。

トレーニング強度が上がってくると、より多く有酸素代謝によって生み出されたエネルギーを消費するようになります。

このVO2maxという指標は持久系スポーツにとって重要なものです。VO2maxがさらに向上することは、より酸素を利用できるキャパシティーが増えることを意味しますので、有酸素能力の限界をより高みに引き上げます。

VO2maxは二種類の方法で表現されます。

一つ目は一分間にどれくらいの酸素を利用できるか(L/min)で、トータルの酸素消費量を表しています。運動を行っていない男性であれば2.5L/min、女性であれば2.0L/mimです。

二つ目は体重1kgあたりで表す方法(mL/kg/min)です。こちらの方が一般的かもしれませんね。運動を行っていない男性であれば40-45mL/kg/min、女性であれば30-35mL/kg/minほどです。


VO2maxは向上できるもの?

もちろん!この点について整理しておきましょう。

端的に申し上げると、VO2maxを決めている複数の要因は高いトレーナビリティ(トレーニングによって向上できる幅)があります。今まではVO2maxは遺伝で決まっていて、遺伝がVO2maxの向上幅に大きく影響すると噂が広がっていたかもしれません。

確かに遺伝的な要因が関わっていることは事実ですが、トレーニングを行っていない方であれば現在のVO2maxを25%ほど向上させることは可能です。


VO2maxの向上とパフォーマンス

VO2maxを高めることは他の二つのパフォーマンス要因に対しても良い影響をもたらします。

一つ目はfractional utilization(部分使用率)を高めることができ、これは運動中に維持できるVO2(酸素摂取量)の高さを表しています。VO2maxが高ければ、その分高いVO2を維持できます。

二つ目はslow component(スローコンポーネント)です。これは高い強度の運動を継続していくにつれ、酸素の利用効率が下がっていくことを意味しています。

FTP以上の強度でトレーニングをすると、徐々に酸素消費量はVO2maxに近づいていき、その強度を維持することが難しくなってきます。高い酸素摂取量(VO2)であってもslow componentを減らすことはできませんが、VO2maxの向上はFTPの向上とfractional utilizationの向上に影響します。


VO2maxは何によって決まるの?

もしかするとVO2maxは肺活量がどれくらいかを表してると思われているかもしれません。確かにそのことは一つの大きな要素ではありますが、それだけではありません。VO2maxを決める要因は大きく4つあります。

1.心臓が拍動によって血液を送り出す能力(心拍出量)

酸素は血液によって運ばれるので、血液が多く運ばれるほどに酸素を多く供給することができます。心拍数が運動中に早まる理由でもありますが、心拍数の大小というよりも、一回の拍動でどれだけ血液を送り出せるのかが大事になってきます。

2.血液の酸素運搬能力

酸素運搬能力は血液中のヘモグロビンというたんぱく質が鍵を握っていて、ヘモグロビンは赤血球内に存在します。赤血球中のヘモグロビン量が多いほど、より多くの酸素を運ぶことができます。

3.循環器系システム全体

血管網のネットワークがより高度になるほどに筋肉への酸素運搬量が増していきます。

4.筋肉

最後に挙げるものは筋肉の能力です。筋線維タイプ、毛細血管網の配備、そしてミトコンドリアなどが酸素利用能力に関わってきます。


VO2maxを高めるトレーニング

VO2maxインターバルトレーニング(HIITなど)が良い方法であると聞いたことがあるかもしれません。こういったインターバルはハードな運動強度に挑戦するもので、主にその強度でのパワーを維持する能力が高まります。

これらの高い強度のインターバルトレーニングはVO2maxを高めることができ、そしてVO2maxの向上にとどまらずに様々なパフォーマンスへ良い影響をももたらします。

トレーニングの一例をお示ししましょう。

<Emerald3:エメラルド3>

記事より引用

このトレーニングは昔から採用されているインターバルです。
・120%FTPで2分間 - 3分のリカバリー×3
・8分のリカバリーを挟んで2セット


<Kephart:ケパート>

記事より引用

・125%FTPで15秒 - 88%FTPで15-30秒 ×8本
・5セット
このメニューは有酸素能力の向上、痛みに対する耐性、筋線維の動員を増やすことが目的です。高い強度の繰り返しで、筋持久力も高めます。

VO2maxを高めたい場合、VO2max強度よりも低い強度のトレーニングも効果があります。VO2maxの向上をダイレクトに狙うにはスウィートスポットトレーニング(Sweet Spot Training)も有効です。

能力が高まるほどに改善度合いはだんだん小さいものになりますので、より高い改善を目指すためにはハードワークが必要です。

VO2maxの向上を目指すためには長期間のプランが必要です。一年や二年といった長期間の目線でみれば、短期間に達成できるVO2maxの向上は小さなものです。

ですので目標とする大会やイベントがあって、それに向かってハードにトレーニングに励み、その後トレーニングを中止してしまう方よりもより長いスパン(二、三年)で計画的にトレーニングを続けている方の方が得るものは大きいでしょう。

トレーニングプランは長期的な戦略で、現在の能力を突破するためのものであると考えてください。


どれくらいのVO2maxが優れているの?

1994年に発表された論文で、以下のような基準値が載せられています。

トップアスリートについては、以下のような記録が残っています。

・グレッグレモン(男性):92-94mL/kg/min
・クリスフルーム(男性):84.6mL/kg/min
・フラヴィア・オリベイラ(女性):76mL/kg/min
・ジョーン・ベノイト(女性):78.6mL/kg/min

ちなみにサラブレッド(馬)のVO2maxは180mL/kg/min、ハスキー犬は240mL/kg/minにもなります。


VO2maxはどれくらい向上させることができるの?

非常に興味深いテーマです。一般的には長期的なトレーニングで15%ほどの向上が期待できます。しかしアランコーチによれば4-6週の短期間でも15%の向上が可能な場合もあるようです。長期間で継続的なトレーニングによってはVO2maxの向上は25%ほどになることもあります。

驚くべきことにロベール・マルシャン(サイクリスト)は2014年、103歳で1時間のタイムトライアル記録を樹立しています。彼は2年間のトレーニング期間でVO2maxを13%向上させています。彼の年齢を考えると到底不可能に思えますが、低強度で低いボリュームのトレーニングによってそれを達成しています。

この記事の投稿は2016年に行われたものです。



今回の記事ではVO2maxの向上について深堀りしてくれていました。VO2maxは何によって決まるのかが肺活量だけではなく、大きく4つの能力にかかっているという解説がVO2maxについての知識を深めてくれていましたね。

そしてサラブレッド、ハスキー犬の有酸素能力たるや、最強のアスリートも遠く及ばないことには驚きでした。

今後も海外記事のご紹介を行っていきますので、また読みに来てくださいね!

最後までお読みくださりありがとうございました。


合わせて読んでもらいたい記事

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?