見出し画像

【3min all-out test】実践

昨日ご紹介したクリティカルパワーを測定する「3min all-out test」を実際に行ってみたのでご紹介します。

トレーニングの一環として行っています


3min all-out test

方法の詳細については以下の記事にまとめています。是非ご参照ください。

テストのアウトラインは以下のようなものになります。


<3min all-out test>
3min 助走
3min テスト(始めから最大パワー発揮)
※ペーシング禁止
※ダンシング禁止
※残り時間を見ない

助走の3分間はリカバリー強度で、回転数は自由

助走区間のラスト5秒で回転数を120ほどまで上げる

テスト開始と同時にギアを変える

始めから余力を残さず全力を注ぎこむ

ラスト30秒の平均パワーが、あなたのクリティカルパワーです。



クリティカルパワー以上のパワーはVO2maxゾーンになります。ご自身のクリティカルパワーが分かっていると何かと便利です。



実際に測定してみました

先日測定してみたので、参考までに結果を載せておきますね。

<結果>

スタート~30秒:平均641w
~60秒:平均432w
~90秒:平均335w
~120秒:平均302w
~150秒:平均303w
~180秒:平均296w

クリティカルパワー(CP):296w

<パワーの推移>

<ケイデンスの推移>



クリティカルパワーを把握する利点

ここからの内容はクリティカルパワーの論文を読んで、こういう風にも考えられるのかなといった内容になります。


ご自身の無酸素パワーの容量を把握する

このテストはスタートから全力を出すことで無酸素パワーをどんどん使って、ラスト30秒で無酸素パワーが枯渇した状態になるデザインです。

クリティカルパワー値以上出せていたワット数の合計を無酸素パワーと捉えると、私の場合は無酸素パワーのストックは約16,000wです。

(3分間の合計ワット数からCP=296w ×180秒分のワットを引きました)

たとえば3分間維持できる上限パワーを計算すると、

16,000w ÷ 180秒(3分)= 89w

これにクリティカルパワーを足して

296w + 89w = 385w

もし3分間同じワット数で漕ぐとすると、385wキープが限界と予想できます。

10分間維持できる上限パワーだと

16,000w ÷ 600秒(10分)= 26.7w

296w(CP) + 26.7w = 322.7w

となりますので、恐らく私の場合10分間維持できるのは322w前後です。

このように無酸素パワーの容量が分かると、ある時間維持できるワット数をおおまかに予想することができます。


他のテストと比較検証

トレーニングの一環で行っています

クリティカルパワーテストを行う1週間前にランプテストを行いました。

360wステージを漕ぎ切ったところで脚を止めたのですが、今回のクリティカルパワー値から概算すると、次のステージ(380w)を20秒漕げる計算になりました。

ランプテストを行ったとき、確かに360w漕いで気持ちが切れたなと思ったので、後日再度挑戦してみようと思います。


VO2maxゾーンをトレーニングするとき

今からVO2max系のトレーニングをするぞ!となったとき、行うトレーニングのワット数はどれくらいに設定されていますか?

例えば320wで3分キープを4本行うとします。

私のクリティカルパワー(CP)は296wですので、320wだとおおよそ11分間キープできる無酸素パワー容量を持っています。

VO2maxゾーンのトレーニングは酸素摂取量(VO2)が90%を超える時間帯が大切になってきますが、そのポイントに到達するには時間がかかり、概算ですが無酸素容量の65%前後ほどを消費したあたりになると思われます。

(根拠は薄いです。下図の研究などからの概算です。3min all-out testでは72秒後にVO2maxに到達していて、90%VO2maxになっているのはスタート後30秒あたり。私の場合は3min all-out test 30秒経過した時点で無酸素パワー容量の65%ほどを消費しています。)


とすると、320wであれば7分以上維持しないと90%VO2maxに到達しません。

インターバルを挟むことで無酸素容量も回復すると考えると、320w3分キープ×4本だと後半2本でようやく90%VO2max以上になる時間帯が確保できそうです。

そうなると、少しトレーニング刺激としては弱いのかなと感じます。

おおまかな計算にはなりますが、クリティカルパワーを把握しているとご自身がトレーニングを行う際に有効なトレーニングになっているのかを確認することにも使えると思います。



おわりに

以上で実際にクリティカルパワーテストを行った結果と、それを利用することで何が分かるのかを説明させてもらいました。

3min all-out testはかなり辛いテストですが、3分で終了します。

3分間頑張ると色々とご自身を把握する数値が取得できますので、是非チャレンジしてみてくださいね。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

スキ、フォローをいただけると大変励みになります!




参考文献

  1. Vanhatalo, A., Poole, D. C., Dimenna, F. J., Bailey, S. J., & Jones, A. M. (2011). Muscle fiber recruitment and the slow component of O2uptake:constant work rate vs. all-out sprint exercise. Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol, 300, 700–707. https://doi.org/10.1152/ajpregu.00761.2010.-The

  2. Vanhatalo, A., Doust, J. H., & Burnley, M. (2007). Determination of critical power using a 3-min all-out cycling test. Medicine and Science in Sports and Exercise, 39(3), 548–555. https://doi.org/10.1249/mss.0b013e31802dd3e6

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?