褒められること

私は、褒められるのが上手くないな、と思う。

人に褒められても内心はとても嬉しいくせに「まあこれくらいは誰でもできますよ」みたいな態度をとってしまう。素直に喜べばいいのに。そのくせ褒められたい。さらに、なんで褒めてくれないのと卑屈になりかける自分をとっても厄介だと思う。

同じ職場にHさんという人がいる。Hさんは私と職位も職務範囲もだいたい同じだが違う部署にいて、ライバルのような存在かもしれない。しかしHさんとの関係はばちばち火花をぶつけるものではなく、仕事の情報交換をしつつプライベートでも付き合いがあり、程よい距離感はあるものの仲のいい同僚だ。

そんなHさんに、決定的に私と違うところを見つけた。Hさんは褒められ上手なのだ。褒められると「ありがとうございます」とうれしそうに返す。子供が褒められた時のように無邪気な笑顔で。羨ましすぎる。

人はなかなか他人を褒めない。大人になるとなおさら。褒めてもストレートに伝わらないことをおそれたり（私のような態度を取る人間がいるからだが）、逆に嫌味に取られたりするのを避けるためなんだろう。だからこそ、大人が大人を褒める時は勇気がいるし、受け取る方も素直に勘ぐらず丁寧に受け取ったほうがいいんだろう。そのほうがお互いにヘルシーだ。

わかっていても、そうできない。
Hさんが心底羨ましい。